ようやく合意が成立して、救いの手が差し伸べられることになった。タイミングとしてはいかにも遅く、欧州連合(EU)が重い腰を上げたのは、金融市場(そして一部の格付け機関)から、カネを出すか、黙るか、どちらかにしろと強く迫られた挙げ句のことだった。 EUはギリシャに対し、現在の市場金利より低い約5%の金利で緊急融資を提供するという。融資の総額についてはまだ合意がなされていないが、筆者の聞いた話では、これまで広く報道されてきた金額を大幅に上回る500億~600億ユーロになる見込みだ。 つまり、考えられる限りで最悪の救済策にはならなかったことになる。市場金利で貸し付けるというドイツのアイデアが採用されていたら、それこそ最悪の策だった。 考え得る限り最悪の救済策は避けられたが・・・ アンゲラ・メルケル首相の経済顧問たちには、国際的な債務返済危機の解決に携わった経験がほとんどないと見て間違いあるまい。も