宇宙企業スペースXを率いるイーロン・マスク氏が、人類を火星に移住させる構想と、そのための巨大なロケットと宇宙船を発表したのは、2016年9月のことだった。以来、毎年この時期には、マスク氏自身が構想の最新情報を発表するのが恒例となっている。 そして2019年9月28日、マスク氏は、宇宙船「スターシップ」と、それを打ち上げる巨大ロケット「スーパー・ヘヴィ」の最新の設計案を披露した。それは銀ピカのボディに羽ばたく2枚の翼をもった、まるで昔のSFに出てきそうな宇宙船だった。 本連載第1回では、マスク氏の考える火星移民構想について紹介した。また第2回では、その火星移民に使う巨大宇宙船の設計の移り変わりについて紹介した。今回は、現時点でのスターシップとスーパー・ヘヴィの設計案や、これまでの設計からの変更理由などについてみていきたい。 火星に着陸したスターシップの想像図 (C) SpaceX スターシッ