戦国合戦の負傷の種類別統計があるという話をこの時代に興味をお持ちの方は大抵耳にしたことがあるか、あるいは実際にそのデータを見た機会があるかと思います。その統計は鈴木眞哉氏が『刀と首取り』(2000年3月21日初版第一刷)(※1)『謎とき日本合戦史』(2001年9月20日第一刷)(※2)などで広く一般に向けてセンセーショナルに発表した説の根拠とされたもののことです。 以下に、便宜上縦軸をパーセントではなく人数とした以外『謎とき日本合戦史』P115にあるのと同じ内容にしたグラフを上げます。『刀と首取り』P83にも戦傷の内訳はありますが、一年以上後に出た『謎とき』の方が全体的に傷の数も多くなっているので以後こちらを基準とします。 ごらんのように矢・槍・鉄砲・石礫など距離を取って戦うことのできる武器による負傷がほとんどを占めます。氏はこれを根拠として戦国武士たちは基本的には白兵戦を嫌がるが、戦功の