瀬川 明秀 日経ビジネス副編集長 日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。 この著者の記事を見る
相変わらず好転する気配のない日中関係。先ごろ中国政府が「問題を棚上げにすること」を条件に、日中首脳会談を提案し、日本側が拒否していたことが明らかになったばかりだ。 こんな状態が、かれこれ一年近く続いている。そんな中、私はずっと不思議に思っていたことがあった。日中の経済交流や人の往来はこれほど活発なのに、なぜ「日本のいいイメージ」は中国になかなか伝播していかないのか? インターネットがここまで発達し、情報量が増えてもなお、誤解が減るどころか不信感が増し、相互理解へと前進していかないのか? という素朴な疑問である。 情報の伝達手段に問題があるのだろうか? あるいは、日中関係に関しては、人から人へと「正しい情報」が伝わりにくい何か特別な理由でもあるのか? というのは、私はこれまで数多くの中国人と接してきたが、彼らの対日イメージがそれほど悪いとは どうしても思えないからだ。私が比較的親日的な人に会
「キャリアアップしたいって言うくせに、出世はしたくないってどういうことなんだ? 訳が分からないんだよなぁ」 「うちの部下は、キャリアアップしたいとか言って、転職していったぞ」 「つまり、会社にいたんじゃ、キャリアアップできないってことか?」 「そ、そうなんですか? 私、実は高卒だったんで、かなり頑張って管理職になったんですけど。これはキャリアアップと言わないってことですか?」 「出世っていうと、すっかりネガティブにとらえられるようになったけど、キャリアアップと何が違うんだ?」 「やっぱり、キャリアアップ=転職ってことか?」 「(全員)う~む……。分からん」 しょっぱなから、飲み屋でのやり取りのような始まり方だが、これは先日に開かれた企業の部長クラスの方たちとの会合での一コマだ。 部下との関わり方や育て方についての話になった際に、「キャリアアップ」という、今では誰もが知っている言葉が「???
「ワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底、受け入れられるものではありません」。ワタミ会長の渡邉美樹氏が自身のブログでこう述べて、注目を集めています。 これはネットを中心に、ワタミが「ブラック企業」だと語られていることに対しての反論です。 さらに渡邉氏は、自民党から参院選比例区の候補者として出馬すると表明。今週、取引先や株主などにも立候補の意思を綴った手紙が届けられました。何かのご縁かうちにも届きました。 これに対して様々な所から批判の声が上がっています。 この金曜動画ショーでは、効果的なコミュニケーションの観点から、身近な状況でも活用・応用のできるヒントを考えるきっかけとして、注目のネット動画を見ています。 今回の騒動から得られる、私たち自身が役立てられる、コミュニケーション上の教訓は何でしょうか。 もしも仮に、自分の会社がブラックのレッテルを貼られたとして、一体どのように自分たち
先日、雑誌の記事を目にしました。そこでは、多くの人が自分の給料に対して不満を感じているという調査結果がありました。給料の金額に不満に感じているということは、「その給料は妥当ではない」と感じているということです。 では、みなさんは、自分の給料がいくらであれば妥当なのか、論理的に説明できるでしょうか? 「同期の中では一番高い給料をもらっていい!」「あの人よりは、当然評価されるだろう」というような相対的な尺度ではなく、「自分の給料は『○○万○千円』が妥当!」と論理的に説明・主張できるでしょうか? おそらく、そういう方はほとんどいないと思います。つまり、給料金額の決まり方を論理的に把握している方はほとんどいないのです。 多くの方は、給料のルールを知らずに「もっともらえるはず!」と感じていることでしょう。そして、給料のルールを知らずに「もっと給料を増やしたい」と努力をしていたのです。 では、その「給
当「再来一杯中国茶」は「中国の人と」「お茶を飲みながら」「じっくり話し合う」コラム。私がさまざまな縁で知り合った一般の中国人との会話を取り上げてきたのだが、今回は日本語学が専門の日本人、筑波大学・矢澤真人教授にお話をうかがうことにした。 矢澤教授は、大人気ブログを書籍化したベストセラー『中国嫁日記』と同じ作者による『月(ゆえ)とにほんご 中国嫁日本語学校日記』(井上純一著、アスキー・メディアワークス)で日本語の監修をつとめた方で、もちろん中国にも詳しい。このマンガは40歳オタクの日本人男性のもとに嫁いできた20代の中国人嫁が、都内の日本語学校で日本語を学ぶ中でのとまどいやドタバタを描くもの。主人公の中国人嫁、月(ゆえ)さんが「なんで日本語は○○なの?」とか「日本語の○○な表現はおかしい!」と素朴に感じた疑問を、マンガとマンガの間で矢澤教授が解説するという形になっている。 今や在日の全外国人
どうも、「バンドマン社長」河野です。 実は今回、僕は日経ビジネスの編集者と“けんか”をしました。 「河野さん、残響の売り上げの数字を出してください」と頼まれ、はいはいと提出したところ、グラフを見た編集者さんが「…うーん、基本的に右肩上がりだけど、ずいぶん波がありますよね。規模も小さいし、これって大企業に勤めている読者さんに、参考になるのかな、読んでもらえるのかなあ」と言われたんですね。これがそのグラフです。 思わずカチンときた僕は、食ってかかりました。 「右肩上がりを暗黙の前提にしてしまう経営は完全に古いと思っています。僕は、縦に伸びる経営より、横に広げる経営を目指したい。失礼ですが、『売上高』に対する考え方が、いまの世の中とずれているんじゃないですか?」 一瞬きょとんとした顔をした後、「…むしろそのお話聞きたいですね」と、食いついてきたのは、さすが編集者さんです(笑)。 とはいえ、彼の反
「もしかしたら、また(日中戦争のときと同じように)日本軍が中国を攻めてくるんじゃないか。日本人は、本当は中国と戦争したいと思っているんじゃないか。実は、そう思っている中国人は非常に多いんですよ」 81年前に柳条湖事件が起きた9月18日の前夜、都内の大学院で学ぶ中国人留学生の張成(仮名、24歳)は、切れ長の目をまっすぐ私に向けながら、きわどいことを語り始めた。 この日、北京、上海、広州など全国約100都市で大規模な反日デモが繰り広げられたが、中国人にとって(日本人にとっても)、日常生活には何の影響もないと思われる尖閣諸島が、なぜ、これほどまでにナショナリズムに火をつけるのか、不思議に思う人は少なくないのではないだろうか。 私は領土問題を巡る「中国VS日本」という国家間の構図だけではどうしても説明しきれない、中国人をこれほどまでにデモや暴動へと突き動かす心理について、これまで私が自著『中国人エ
何だかすごい。公約といえども、やっぱりすごい。そして、「うらやましい~」――。 何がって? 女性たちに囲まれニンマリしている男性、いやいや、そうではなく、この国の女性たちだ。そう。新閣僚34人のうち17人が女性という「男女同数内閣」が、フランスで発足したのである。 ニンマリしている男性とは、フランスで17年ぶりの社会党大統領に就任したオランド氏。彼は「男女同数内閣」と、「女性の権利省(Ministre des droits des femmes)の新設」を公約とし、それを実行したのである。ちなみに元パートナーは、前回の大統領選で社会党初の女性候補として出馬してサルコジ氏に敗退したマリー・セゴレーヌ・ロワイヤルさん。現パートナーはジャーナリストと、いずれも「フェミニスト」と言われている女性たちだ。 そんな大統領を、「強い女好き」などと冷やかす人もいるようだし、重要閣僚は男性にしている、との指
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