「坊や、よく覚えとけ、世の中のもの全て人間が作ったもんだ。人間が作った世の中、人間にこわせないものはないんだ」 この人は天才だと思った。 立川談春『赤めだか』は競艇選手に憧れ、身長が規定よりも高かったために、その世界に進むことを断念せざるを得なかった一人の少年が、立川談志という天才の高座に出会い、魅了され、高校を中退して弟子入りすることから始まる。談春の青春記というべき内容であり、紆余曲折を経て彼が真打昇進を果たすまでが描かれている。冒頭に引用したのはその第1章で、談春が初めて談志の家を訪れたときのエピソードだ。 ぜひ原作の『赤めだか』を 同書の原型は雑誌「en-taxi」(休刊)連載である。連載中から話題となり、読書家の注目を集めていた。2008年に単行本として刊行されるとその人気は爆発し、第24回講談社エッセイ賞も授与されている。2014年11月の落語立川流「談志まつり」においてドラマ
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