脱原発か、コンビニエンスな生活か これだけのことがあって、いまひとつ脱原発の機運は盛り上がっていない。現実的に考えて、みなが原発は今後も必要不可欠と考えているようだ。 原発の必要性を考える場合に重要なことは、単に電力が足りる足りないということではなく、電力の質を考える必要がある。人々がある程度の自然環境のきまぐれに対する労力を惜しまないなら、太陽熱、水力などの自然エネルギーを増やして、長期的に原発が廃止していくことは可能だろう。 しかしいまのような「コンビニエンスな生活」を存続するためには、原子力、火力のような、安価で安定した電力をベースとする必要がある。問題は、日本人がこのコンビニエンスな生活から抜ける覚悟ができるか、ということだ。 コンビニエンスな国、日本 「コンビニエンスな生活」とは単に便利な生活ではない。そのポイントは「他者回避」にある。古来、人が生活するためには他者との協力関係が