ニホンウナギがレッドリストの絶滅危惧種に指定された1日、産地を抱える徳島県内でも、養殖・流通業界やウナギ料理店主に不安が広がった。 県内大手スーパーのキョーエイ(本部・徳島市)によると、ウナギは年間売上額でトップ3に入る人気商品。タクト店(同市南島田町)の売り場担当者は「稚魚となるシラスウナギの不漁も影響し、今年の価格は昨年の3割増。保護機運が高まり、来年は値段が付けられないほど高騰するのでは」と苦渋の表情を浮かべた。 ウナギは暑い夏を乗り切るための風物詩として多くの人から求められてきた。徳島市国府町中の主婦(62)も「昔ながらの習慣なので、時季が来たら食べたくなる。ただ絶滅危惧種と聞けば心情的に食べにくい」と語った。 養殖業者の児島博之さん(65)=阿南市羽ノ浦町中庄=は、「指定が稚魚の漁獲規制につながるのでは。場合によっては、廃業に追い込まれることもあり得る」と不安そう。同市内