◆◆◆ 『新聞記者』チームで制作 ――原作ものが中心の日本の映画界にあって、『ヤクザと家族 The Family』は、藤井監督のオリジナル脚本の作品です。『新聞記者』の制作チームで今回、なぜヤクザ映画を撮ろうと思ったのでしょうか? 藤井 『新聞記者』を作ったあと、プロデューサーの河村光庸さんと次はなにをやろうという話になって、2人で「こういうものをやりたい」と企画を出し合ったんです。河村さんも僕も、「オリジナル脚本でなにができるだろうか」と常に考えているんですけれども、そのとき、お互いの興味が重なり合ったのがヤクザでした。 それで、ヤクザ同士の抗争を描く従来のヤクザ映画ではなく、暴排条例以降の、追い詰められたヤクザの姿を描く映画を撮ったら面白いんじゃないかとなって、企画を進めることになりました。 ――この映画では1999年(第1章)、2005年(第2章)、2019年(第3章)、それぞれのヤ