大阪のサラリーマンの飲み屋街・京橋からほど近い大阪市都島区都島南通の一角。JR環状線沿いの北側に、大きなマンション群がそびえ立っている。 かつてここに雪印乳業の大阪工場があった面影はほとんどない。 1万3千人を超える患者を出し、戦後最悪の被害となった同社による集団食中毒事件。その原因となった低脂肪乳などを製造していたのがこの工場だった。 平成12年6月27日、同社の低脂肪乳を飲んで食中毒症状を訴える人たちについて、同社や大阪市が把握。28日には、大阪府警が関係者を業務上過失致傷容疑で事情聴取した。 このときは兵庫県警担当だったが、異動で7月1日から、大阪府警捜査1課担当となることが決まっていた。新聞やテレビで大きく報道されるなど、瞬く間に大騒ぎとなり、赴任早々から「こりゃ大変なことになるなあ」と暗澹(あんたん)たる気持ちになったことを覚えている。 着任早々、大阪市北区の雪印乳業西日本支社で