水産物の流通に新たな動きが出ている。都内の鮮魚販売会社では、飲食店向けにタブレット端末iPad(アイパッド)を使って注文できるシステムを提供する。IT(情報通信技術)の導入が遅れている業界に風穴を開けようという試みだ。市場を通さず、漁協と直接取引するスーパーも現れた。 「料理人のための『アマゾン』になりたい」 水産物の販売を手がける「八面六臂(はちめんろっぴ)」(東京都新宿区)の松田雅也社長は力を込める。目指すのは、インターネット通販最大手「アマゾン」の鮮魚版だ。 取引先は、個人経営など中小規模の居酒屋や料理店だ。それぞれの店に注文用のアプリ(ソフト)を導入したiPadを無料で貸し出す。 アプリを開くと、60~80種の魚を選べる「本日のおすすめ」が見られる。常に約700種をそろえる商品一覧から検索する機能もある。1匹から注文できる。午前2時までに注文すれば最短で午前6時に商品が店に届くとい