菌の特徴 バクテロイデス フラジリスは、0.8~1.3×1.6~8.0マイクロメートルの大きさの偏性嫌気性グラム陰性桿菌で、芽胞を作らず、運動性を持ちません。偏性嫌気性菌にとって酸素は致死的要因として作用し、菌種によっては、酸素に暴露されると数分で死滅するものもいますが、この菌は偏性嫌気性菌の中でも比較的酸素耐性があり、数時間、酸素に暴露してもほとんど死滅しないといわれています。また、ヒトの口腔内から腸内までの細菌叢を構成する優勢菌のひとつであり、基本的には病原性は低いですが、体の抵抗力が弱くなったときに病気を惹き起こすこともある細菌です。 嫌気性菌感染症の原因菌 普段は無害であるバクテロイデス フラジリスを含む嫌気性常在菌が、体の中で本来無菌状態であるべき部位(血管や腹腔内)に入り込むことによって感染が成立することを嫌気性菌感染症といいます。重症化すると敗血症や腹膜炎等になることもありま