高円宮杯全日本ユースで一躍その名を全国にとどろかせた香川は、一番最初に獲得に動いたセレッソ大阪に入団する【写真:Atsushi Tomura/アフロスポーツ】 宮城の地ですくすくとその才を伸ばしていった香川真司が、プロに注目される存在になるまでには時間がかからなかった。 当時、セレッソ大阪のスカウト担当だった小菊昭雄氏が、大阪から遠く離れた宮城の土のグラウンドで楽しそうにボールを追いかける、一人の少年に目を付けた。それは香川が中学3年から高校1年に上がる春のことだった。 当時、FCみやぎバルセロナユースに所属していたGK丹野研太(現・大分トリニータ)の視察に訪れた際、練習試合で一際高いレベルのプレーを見せていたのが香川だった。 「常にボールに絡んでいて、サッカー好きな印象を受けた。あとはもうセンスですよね。教えられない持ち方、ボールの受け方、さばき方、ヘッドアップする姿勢。小さくて華