吉海 直人(日本語日本文学科 特任教授) よく「うがい」をするのは日本人だけの習慣、という話を聞くことがあります。「うがい」は本当に日本独自の文化なのでしょうか。外国では「うがい」をしないのでしょうか。このことについて、面白い記事がありました。外国の水道には微生物がたくさん含まれているので、その水で「うがい」をすると、かえって菌が増殖してしまうというのです。日本の水道事情のよさが、「うがい」文化を裏で支えていたというわけです。 もちろん外国でも「うがい」は皆無ではありませんが、予防として集団で行う事例は報告されていません。また健康な外国人に「うがい」をしているかと尋ねても、ほとんどしたことがないという答が返ってくるようです。さらには人前でガラガラ・ブクブクと音を立て、その水をペッと吐き出すのはエチケット違反だと反撃されかねません。 では日本ではいつごろから「うがい」文化があったのでしょうか