中国上海で勾留された件については「中国上海獄中記」に書いたが、捕まってからの流れと、強制送還されるまでの過程を、何の役に立つのかは知らんが紹介したい。 ブラブラしているところを職質され、正直に「我は不法滞在せし日本人也」と申告したものの、旅券を携帯していなかったため「お前本当に日本人か」とテストされたが、警察官が日本語を解さなかったため無意味に終わり、一度派出所まで連行されたものの、「とりあえず旅券をとりに家へ行こう」という話になり、一九二〇年代築の石庫門、というと新世界あたりにありそうな瀟洒な建物を想像する人もあるかも知れないが、要は風呂どころかないボロ長屋へ案内した。 なぜそんなボロ長屋に住んでいたのか、住心地はどうかという話も、酒のつまみ程度にはなる話題なので紹介したいが、これまた話に渋滞をきたすのでまたの機会に譲るとする。 さてボロ長屋だが、警察官に「お前すごいところに住んでいるな