任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」が売れすぎて品不足になっていますが、15年前にそれを上回る勢いで売れた“伝説”の携帯ゲーム機があります。年間出荷数は“前人未踏”の3000万台(しかも2年連続)で、累計出荷数は1億5402万台。ゲーム業界の“常識”を変えた「ニンテンドーDS」シリーズです。最も売れた携帯ゲーム機の“規格外”の歴史を振り返ります。 ◇「異質な商品」 当事者以外は理解できず 2003年、任天堂は、携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」の売り上げこそ好調でしたが、期待された家庭用ゲーム機「ゲームキューブ」は今一つで、ライバルのソニーに遅れを取っていました。 2003年夏、任天堂のトップになって間もない岩田聡社長(当時)は自社の会見で、ライバル・ソニーが自社開発したUMD(光ディスクの規格Universal Media Disc)を用いた新商品(後のPSP)について言及、任天