21世紀、地球の共通語として不動の王座を得たかに見える英語。が、その英語は英語が母語でない人々の話すエイゴ、新しいデジタル・テクノロジーやカジュアル化してゆく生活の影響を受けて混ざり合い、姿を変えてゆく。綴りや句読点、文法の絶え間ない変化、語尾上げなどゆゆしき流行……英語はどうなっていくのだろう? 5世紀の誕生以来、「ちゃんとした」英語をつくり、それを固定化しようとする人々の論議は絶えなかったが、英語は彼らのはめようとする枷をするりと抜けだして、形を変えつつ世界にひろがり、生存の道を見つけてきた。あたかも生き物のように。 話され、文字に書かれて人の心へ届き、その思考や行動をも変えてゆく言葉の力。英語の豊かな歴史を縦横無尽にめぐり、その未来像をスリリングに描く異色の英語史。 1 「大胆に進もう」 英語にまつわる真実と神話 2 生存機械 言語の力と英語への闘い 3 英語の出現 チョーサー、カク