パッケージ・ソフトを制作・販売している会社において,次期最新製品Aの開発計画を立てているとしよう。このパッケージ・ソフトの製造コストを見積もったら,1本1万円であった。したがって,1本1万2000円で販売すれば,1本当たり2000円の儲けが得られる。 果たして,この考え方は正しいだろうか。 固定費と変動費 「1本当たりの製造コスト1万円」と言われると,製造数が1本変化するごとに製造コストは1万円変化するように思ってしまいがちだ。場合によっては,そのことに何の疑問も持っていない人もいるだろう。ある意味では,それも無理のないことだ。組織の中では,ひとたび1万円という製造コストが計算されると,その数字だけが一人歩きしてしまい,その背景にあるコスト構造まで思いが至らないのが普通だからだ。 あらためて,どのようにして1万円が計算されたかを見てみよう。 この開発では,社内開発チームの10人月に加え,外
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