1年前に一度引退宣言をしながらも、諸事情により完全には引退せず、先日まで隠居の身で細々と活動していたブラウザ三国志を、4/4の17鯖6期終了のタイミングで完全引退しました。 よく、「ソーシャルゲームはゲームとしてクソ。金ばかり取ろうとして面白くも何ともない。」というような意見を耳にすることがありますが、この指摘については私は2つ意見があります。 確かに現在のソーシャルゲームはコンシュマー機向けの一般のゲームやPC向けのゲームと比べるとゲームとしての完成度は高くないが、現状はまだ黎明期であり、これだけお金も人も動いている世界なので、これから進歩しないと考える方が不自然。現時点でもブラウザ三国志のようなゲーム性だけ見ても従来のコンシュマー機に劣らないものもある。 「もし自分が運営する側だったら」と想定してみると、今でも運営する側はどんなアクションに対してユーザーはどのように反応するか、という人
争点となった「釣り上げ画面」。GREEの「釣り★スタ」では、竿を投げ、浮きが沈んだらボタンを押す。画面上を激しく動く魚が、円に重なったタイミングでボタンを押して釣り上げる 釣りゲームの著作権を侵害されたとしてグリーがディー・エヌ・エー(DeNA)にゲームの配信差し止めと損害賠償を求めた訴訟の控訴審・知財高裁判決は、グリーの主張を全面的に退け、DeNAの釣りゲームは著作権侵害には当たらないと判断した。 このほど公開された判決文(高部真紀子裁判長)によると、両社の釣りゲームに共通するユーザーインタフェース(UI)などについて、著作権法で保護されない「アイデア」や、釣りゲームならではの「ありふれた表現」だと判決は指摘。具体的な表現は異なっており、DeNA作品からグリー作品の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないとして、著作権の侵害を認めなかった。 アイデアと著作権 「アイデア」は著作権
ゲームソフト大手6社の2012年3月期の決算が出そろい、本業の儲けを示す営業利益が伸びたのは、6社中4社となった。第2四半期まではソーシャルゲームで収益を伸ばしていた会社が多かったものだが、第3四半期以降から主力事業である家庭用ゲームソフトを中心に収益拡大を達成した会社が目立ったように思われる(関連:SAP企業の四半期業績)。 前の期(2011年3月期)は「伸びるソーシャルゲーム、低迷する家庭用ゲームソフト」という図式が鮮明だったが、この期は、各社の事業展開に違いが出てきた。コナミのようにソーシャルゲームに注力して収益を伸ばした会社がある一方、家庭用ゲームソフトをメインに伸ばしたコーエーテクモHDのようなケースもある。またスクウェア・エニックスHDやバンダイナムコHDのように両部門の収益を伸ばした会社もあった。 以下、各社の動向をまとめておこう。 (注)コナミは、米国会計基準を採用している
ツイート 昨日から、コンプガチャの話題が飛び交ってますが、 みんな結局何が問題で、どこが論点なのか分かりにくくなってると思います。 そこで今回、コンプガチャと、あといくつかケータイ向けSNSゲームの手法について、お金を使ってしまう仕組みについて解説してみました。 例のごとく凄く長くなってしまいましたが、 現役漫画家の森井ケンシロウさんが分かりやすいイラストを描いてくれたので、ぜひ楽しみながら見ていってね。 ちなみに、説明する各種システムはゲームによって微妙に差異があります。 今から説明するのはひとつの例で、カードの枚数や値段、期間やその他もろもろ、仕組みが違うゲームもあるってことは了承してください。 コンプガチャとその問題点 コンプガチャというのは、好調なケータイ向けSNSゲームで結構取り入れられている手法で、 一部では売上の50%をこのコンプガチャが占めるなんて話もあります。 「ガチャ」
さすがにちょっとだけ言及を。一般論ではありますけど。 (追記:リンク貼り忘れ! 失礼しました。→ http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-2175.html ) >■絵が良くできてる >■グラフィックを殆どflashで作っている >■webページ部分の見栄えもハンパ無い グラフィックについてはFFタイトルに恥じない内容に仕上げようというお話であり、予算もやはり試験的な投入という意味合いではなく、きちんとビジネスモデルに乗り、また市場を先導していくことを念頭に置いた進め方になっていると思います。 結果として、メディアがどうであれモノをしっかり作っていくというドクトリンになり、それを支える予算であり、そういうビジネスとしての握りになっている、それが今後の業界のスタンダードになっていて、また同じようなクオリティと作り込みの作品がどんどん出てくるぞと
この記事は三部構成です。 第一部 開発費の増大で崩壊する? 第二部 バブル崩壊の噂 第三部 さらなる承認欲求へ 第一部 開発費の増大で崩壊する? ソーシャルゲームとキャバクラの違い - よそ行きの妄想 http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20120116/1326667699 任天堂の岩田社長は、ソーシャルゲームについて ユーザーとの長期的な関係が構築できないのではないかと言っていた。 これはもしかすると、 上述したような歪な構図を指してのことだったのかもしれない。 実際今のような収益を将来にわたって維持するということは、 不可能に近いのではないかと私も思う。 そんなことはないんじゃないか? 僕はまだ伸びてる市場をわりと長期で獲得できると思う。 その理由をこの記事に突っ込む形で書いてみます。 さて、同著によれば、ソーシャルゲームにハマる理由は、 大きく分けて2つの仕掛け
ここ最近、ソーシャルゲームと呼ばれる新ジャンルのゲームを提供するGREEやDeNAといった企業が、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでもって、快進撃を続けている。 ゲーム関係で言うと、私は、例えばリア充コミュニティにあっては「あいつちょっとゲームヲタっぽいよね」と微妙に囁かれる程度のいわゆる半可通なのだが、ことソーシャルゲームに関して言うと、割と早くにガラケープラットフォームから決別したこともあって、比較的縁遠い生活を送っていた。半可通ならではの「あんなのゲームとは呼べないでしょ」的な見下しもあったかもしれない。 ところが、GREEの時価総額6000億円はいまやゲーム業界では任天堂に次ぐ2番手であり、その任天堂の時価総額も大部分は単にその豊富な現預金によって裏付けられたものであるから、GREEは実は、事業の価値だけで考えるならば既に任天堂をも上回っているとさえ言える。GREEを何かに例えるなら、プロ
「野島美保の“仮想世界”のビジネスデザイン」とは? ゲームは単なる娯楽という1ジャンルを超えて、今や私たちの生活全般に広がりつつある。このコラムでは、ソーシャルゲームや携帯電話のゲームアプリなど、すそ野が広がりつつあるゲームコンテンツのビジネスモデルについて、学術的な背景をもとに解説していく。 2011年は、GREEの東京ゲームショウ出展やDeNAの球団買収など、ソーシャルゲーム企業が何かと話題になった年であった。今年のソーシャルゲーム市場の活況は、携帯端末のカードバトルゲームによって支えられた。コナミの『ドラゴンコレクション』のヒットをはじめとして、各社から次々とカードバトルゲームがリリースされた。 こうした日本の動きは、本家の米国市場とは異なる独自路線となりつつある。PCベースの米国ソーシャルゲームの課金率はさほど高くはなく、Zynga社では3%と報告される。米国企業の収益の高さは、課
日本国内では、2009年の後半から凄まじい勢いでモバイルソーシャルゲームの市場規模が拡大しました。そのインパクトは、老舗ゲームメーカーを巻き込み、独自の家庭用ゲーム機を持つ大手企業の不安を煽るまでになりました。 今までゲームなんか作ったことのなかった小さなITベンチャーや、暗中模索していたシステム屋の中には、ソーシャルゲーム開発へ方向転換して、一気に急成長したところも少なくありません。 ネット上では、ソーシャルゲームについて賛否両論ありますが、結果として「いっぱいユーザーがいて、たくさんお金を使っている」というのが現実です。 日本のモバイルソーシャルゲームが急成長した理由を考えれば、ネットで課金ビジネスをする上で参考になります。今回は、そこに興味を持っている人向けのエントリーです。 なぜユーザーは携帯のソーシャルゲームにお金を使うのか 現状の結果を見ても、MobageやGREEのソーシャル
【山本一郎】コンシューマゲーム開発部隊がスマホアプリやソーシャルに何故適応できないか(メモ) ライター:山本一郎 山本一郎 / アルファブロガーにしてゲーマー。その正体は,コンテンツ業界で今日も暗躍(?)する投資家 山本一郎:茹で蛙たちの最後の晩餐ブログ:http://kirik.tea-nifty.com/ 4Gamer読者の皆さま,ご無沙汰しております。何となくゲームレビューに向いた作品を最近プレイしておらず,かといって直近の業界事情をまとめようにもあまりにも流動的であって,理由をつべこべ述べておりますが,まぁ原稿を書くのが面倒くさかったんだよ。 かれこれ一年半ぐらいのご無沙汰になっておりますが,一時期はゲーマーがこぞって「もしもし」などと馬鹿にし続けてきたソーシャルゲームが,ついに大ブレイク。世界市場を狙って,噂のベンチャーも名の轟く大企業も,こぞって競争の真っ直中に躍り出る様相にな
[TGS 2011]GREE田中良和氏による基調講演,「ゲーマー・田中」が目指す10億人規模のサービス ライター:徳岡正肇 カメラマン:田井中純平 12→ 右:GREE代表取締役社長 田中良和氏,左:日経BP 品田英雄氏 TGS FORUM 2011の基調講演第3部では,GREE代表取締役社長である田中良和氏により「ソーシャルゲームが起こすパラダイムシフト」と題した講演が行われた。聞き手は日経BPの品田英雄氏だ。 冒頭「なぜGREEがTGSに出展するのですか?」という質問を多く受けたと語る田中氏。初出展で最大級のブースというのは,確かにインパクトがある。気になる質問の答えについてだが,出展したのは,社内にどうしても出展したいという社員がいたからだそうで,「僕は若干ブースが大きすぎるんじゃないかと思ったけれど,彼の意向で大きくなりました」と意外な経緯を明かした。 TGSに出展した実感について
日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2011」でDropwaveの本城氏によって「ネットワークゲーム時代に求められる、ゲームプランナーの基礎知識」と題した講演が行われました。 「まずは自ら課金して廃人になるまでやりこむべし!」ということで、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目的としたオンラインゲームの設計、開発および運用法について、本城氏自身の制作経験を踏まえて、講演というレベルを超えて微に入り細に入り赤裸々に経営哲学や制作理念が語られました。 本城: 本公演の趣旨を説明させていただきます。コンシューマゲームの開発者の視点から、オンラインゲームの開発、運営について話したいと思っております。 本公演の対象者ですが、何年も家庭用ゲームソフトを作ってきてゲーム作りには自信があるのに、会社の命令で無料ゲームを作れといきなり言われて非常に困っていて、いやいやながら作らなくてはならない方
2013年7月。現状について ウチではもう大作ソシャゲは引き受けていません。オリジナルも新規開発の予定はありません。大半の業務を以前のような普通のウェブ案件に戻しました。ソーシャルゲームしか開発したことのない従業員への再教育に忙しい。以前に作ったオリジナルは黒字である限り運営を続けます。イベントやカード追加も行います。新機能などを入れることはないでしょう。会社としてはあまり力を入れていません。もうソーシャルゲームは短納期案件しか受けなくなったので業界の関係者ともあまり関わらなくなりました。既に俺の知っている情報は古いかもしれませんし、今後更新されません。ソーシャルゲームはオンゲだから人口が命だと以前に何度も繰り返しました。しかし、その人口で我々は結局大手には勝てなくなりました。とくに大手の抱える有力IPには全く太刀打ち出来ません。今オリジナルでブラウザのカードゲームソーシャルゲームを開発す
というのは古い常識で、コナミが古い常識を破壊しちゃったおかげでどれだけマネタイズを隠すか、というのがトレンドになりつつあります。 これは具体的にどういうことなんでしょうか? GREEというのでドラゴンコレクションでのお話? そうです。ドラコレが壊しました。 それまでの携帯ソーシャルゲームは 1.課金への導線はバンバン貼ろう! 2.売れるものはたくさん作ってできるだけ売ろう! 3.課金アイテム画面はバンバン見せよう! 4.課金アイテムを買った人は優遇しよう!そうしないと課金アイテムは売れないよ! というのが常識でした。実際、これらをしなかったゲームよりしたゲームの方が売り上げは上がっていました。 ところがコナミはドラコレで 1.課金アイテムはあるアイテムを使おうとしたときに、そのアイテムの手持ちがなかった際、もしくは毎日数回引ける無料ガチャを回した際、その下にページをスクロールした時にしか課
「感性に頼りすぎないゲーム設計というのを心がけている」「企画・開発はもちろんのこと、分析や事業戦略まで手を出しつつやっていく」など、これまでのゲーム作りの方法論を覆すという制作体制をとっているGREE、彼らはどのようにして数々のトップセールスを誇るプロダクトを作り上げているのでしょうか? 日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2011」にて、これまでのゲーム機業界での手法との対比を交えながらGREEが「セールスランキングNo.1プロダクトの作り方」というタイトルで、ソーシャルゲームの未来への展望について講演を行いました。 講師は過去にフロントミッションシリーズ、FFシリーズなどを手がけ、今年スクウェア・エニックスを退社してGREEに入社した土田俊郎氏、そしてソーシャルゲーム初期の名作「釣り★スタ」のプロダクトマネージャーを努めた岸田崇志氏の両名です。こちらの濃密な講演の全内容
[CEDEC 2011]稼げるゲームはこう作れ。グリーが明かす「セールスランキングNo.1プロダクトの作り方」 ライター:箭本進一 グリーメディア事業本部 土田俊郎氏(左),グリー開発本部ソーシャルアプリケーション(Japan)統括部 統括部長 岸田崇志氏 コンピュータエンターテインメント協会の主催する日本最大のゲーム開発者イベント「Computer Entertainment Developers Conference」。2010年のセッション数は150だったが,2011年は210になり,さらにその規模を拡大した。なかでもソーシャルゲームがテーマのセッションが増えており,業界のトレンドが感じられる。 そんなCEDEC 2011の3日目である9月8日に「セールスランキングNo.1プロダクトの作り方」というセッションが行われた。これはソーシャルゲーム界の雄であるグリーが,旧来からあるゲーム業
「Mobage」の人気コンテンツ「ロワイヤル」シリーズ初のスマートフォンアプリ「忍者ロワイヤル」について、企画担当と開発担当それぞれの視点から解説、工夫した点と今後の改善点などが、CEDEC2011講演「忍者ロワイヤルの今までと今後 」で語られました。担当する部分が違うことで、同じゲームを説明しているのに「武器より防具が売れる」「ngCoreはアプリで2Dソーシャルゲームをつくるのにイケてる」など、全く別の切り口で見せてくる内容となっています。 講演は2部構成になっていて、第一章では企画担当者が開発経緯や機能の説明を非常に丁寧に行っているのですが、「○○ロワイヤル」をやったことのある人、特に「忍者ロワイヤル」のユーザーであれば、おおよそ理解しているような内容がほとんど。ゲーム開発の裏側という意味では、Mobage開発に使用されているゲームエンジン「ngCore」についての正直すぎる使用感や
[CEDEC 2011]企画と開発からひもとく「忍者ロワイヤル」の作り方。DeNAが目指すソーシャルゲームの進化とは ライター:丹治正行 「CEDEC 2011」の初日,2011年9月6日に行われた講演「忍者ロワイヤルの今までと今後」を紹介しよう。 「忍者ロワイヤル」とは,その名前でピンとくる人もいると思うが「怪盗ロワイヤル」と同じくディー・エヌ・エー(以下,DeNA)が開発・運営している“スマートフォン向け”のソーシャルゲーム。講演を行ったのは,DeNAの徳丸祥之助氏と佐藤大悟氏。それぞれ企画と開発で,本作に深く関わりのある人物だ。忍者ロワイヤルの誕生から現在,そして今後の展開までを,企画者と開発者という2つの視点からひもときながら,ソーシャルゲーム制作のノウハウをシェアしよう,というのが当セッションの趣旨である。 忍者ロワイヤルには,敵を倒して経験値やお宝などを入手できるミッションと,
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