食とテクノロジーを融合した「フードテック」は、今シリコンバレーで最も勢いのある領域の一つだ。中でも、サンフランシスコ近郊のエメリービルに拠点を構える2016年創業のスタートアップ「Finless Foods(フィンレス・フーズ)」は、魚の細胞を培養した人工肉「クリーンミート」を開発し、注目されている。彼らの狙いとは何か。そして未来の食はどうなるのか。9月はじめ、本社ラボを訪ね、共同創業者兼CEOのマイク・セルデンに話を聞いた。 ──まず、どのような問題意識があって魚肉のスタートアップを立ち上げられたのでしょうか? クリーンミートにはいろんな可能性があって、人によって問題意識はさまざまです。 僕の場合はおもに2つあって、一つは環境問題、もう一つは動物福祉の観点です。 環境問題について言うと、現在の漁業は、水産資源をほとんど獲り尽くしてしまいました。第二次大戦後に日本で発展した商業漁業は、いま
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