Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 京都産業大学の研究チームによる「人工大理石透過型LEDディスプレイとそのタッチインタフェース化の試み」(PDFへのリンク)は、人工大理石の表面を直接触って操作できるタッチディスプレイにする技術だ。
![人工大理石をタッチディスプレイにしてキッチンや洗面台を演出 京産大が新技術](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c42ef287daa19dcafae7a7766196e9e57e2d142e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Fnews%2Farticles%2F2008%2F12%2Fcover_news079.jpg)
この錯覚は、香りを鼻穴に直接噴霧し、三叉神経(痛覚、触覚、温冷覚など顔の感覚を脳に伝える神経)を刺激することで作り出す。刺激成分を微量でも吸い込むと温冷を感じる三叉神経の構造を利用することで、熱や冷気で皮膚を刺激せずに、香りだけで暖かさや清涼感を再現する。 三叉神経を刺激する香りは、匂いから種類を判別できず、温度の変化を感じさせるだけの成分が理想と考え、無臭でありながら暖かさを再現できるトウガラシの活性成分カプサイシンと、清涼感を再現できるユーカリプトールを採用。チモールやペパーミントも利用可能だが、匂いから成分を特定されやすいため、カプサイシンとユーカリプトールを推奨している。 噴霧装置はマイクロポンプやミスト散布機を組み合わせたスタンドアロン設計で、VRヘッドマウントディスプレイ前面に取り付ける。
<時代を制したのは「プロトタイプ」駆動によるイノベーションであり、それを次々に生んでいる場は中国の深圳だ――そう主張し、深圳の成功を多角的に分析した『プロトタイプシティ』から、伊藤亜聖・山形浩生両氏による対談を抜粋する(前編)> ニューズウィーク日本版で「日本を置き去りにする 作らない製造業」という特集を組んだのは2017年12月。スマートフォンなどで世界を席巻する中国の「ものづくりしないメーカー」を取り上げた同特集の舞台は、2016~17年頃から注目を集め始めた「中国のシリコンバレー」こと深圳だった。 あれ以来、日本から多くの関係者やジャーナリストが深圳に出向いてきたし、実際に多くの日本企業が深圳の企業と取引を行ってきた。しかし、その本質を私たちは今もまだ理解していないのかもしれない。すなわち、深圳はなぜ成功したのか、ということだ。 このたび刊行された高須正和・高口康太編著の『プロトタイ
業界人です。お盆休みに帰省できず暇を持て余した友人から急にSkypeがかかってきて、「そういえば日本の半導体産業って衰退してるってよく言われるけど今どんな感じなん?やっぱり人件費で中国韓国に勝てないの?」みたいなことを聞かれて、日本の半導体産業の規模感って一般にあまり知られていないと思ったので、備忘録的に日本で半導体を製造している主要メーカーとその工場について書いてみる。 始めにロジック半導体とメモリ半導体から。気が向いたら他の分野も書く。 追記:書いた https://anond.hatelabo.jp/20200813164528 はじめに 半導体製造コストの人件費について半導体工場で使用される製造装置は寡占化が進んでおり、世界中どのメーカーでも使われる装置自体に大差はない。 この辺の記事 (https://eetimes.jp/ee/articles/2003/17/news048_
【京都】村田製作所は2020年度下期に量産を始める全固体電池について、補聴器などに採用される見通しを明らかにした。ロボット向けなどの位置制御機器や、工場などで環境データを収集するIoT(モノのインターネット)機器などにも採用される予定。同社はさらに容量が現状比20―30%高いタイプの開発を進めていることも明かした。高容量タイプは長時間利用前提のワイヤレスイヤホン向けで21年の早い段階に量産したい考え。 電解質に可燃性液体を使わず、安全で熱に強いなどが特徴の全固体電池は次世代電池として注目され、多くの企業が開発にしのぎを削る。村田は滋賀県の工場で20年度内に、月10万個の量産を始める予定を公表していた。 村田の全固体電池は容量2ミリ―25ミリアンぺア時で、他社開発品より100倍ほど高容量。サイズは縦5ミリ―10ミリメートル、横5ミリ―10ミリメートル、高さ2ミリ―6ミリメートルで表面実装可能
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米カリフォルニア大学バークレー校、米Googleの研究部門であるGoogle Research、米カリフォルニア大学サンディエゴ校による研究チームが開発した「NeRF」は、さまざまな角度から撮影した写真を機械学習を用いて処理し、自由な視点から見られる画像を生成する技術だ。 この技術を用いて出力した画像は、見る視点を変えても、その視点に合わせた新しい画像が連続的に生成されるため、立体感を保ったまま閲覧できる。 この画像を生成するために、MLP(Multilayer perceptron)ニューラルネットワークで学習する。特徴的なのが、機械学習で画像生成を行う際に一般的に用いられるCNN(Co
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 慶応義塾大学大学院の研究チームが開発した「SlideFusion」は、車椅子の背中に2本の腕を搭載したロボットを組み込み、それを別の操縦者のアバターとしてコントロールすることで、車椅子利用者の身体的・認知的負担を軽減する補助システムだ。VRによる遠隔操作でロボットの腕を操り、利用者を助ける。 SlideFusionは、全方位移動型の特注パワーアシスト車椅子と、車椅子に組み込まれたアバターロボット、そして車椅子利用者のための視線追跡モジュールを組み合わせたもの。 アバターロボットは2本の腕、立体視と両耳聴力を備えた顔部分、これらをつなぐ上半身で構成される。遠隔操作者は、VR HMD(ヘッドマ
米国コネチカット州スタンフォード発 - 2020年8月18日 — ガートナーは本日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表しました。本ハイプ・サイクルで取り上げた注目すべき30の先進テクノロジには、コンポーザブル・エンタプライズを実現するもの、テクノロジに対する社会の信頼回復を目指すもの、人間の脳の状態を変化させるものが含まれています。 アナリストでバイス プレジデントのブライアン・バーク (Brian Burke) は、次のように述べています。「先進テクノロジとは本質的に破壊的なものであり、それらがもたらす競争力は、まだよく知られていないか、市場で証明されていません。ほとんどのテクノロジは、『生産性の安定期』に達するまでに5~10年以上かかるでしょう。しかし、本ハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジの中には短期間で成熟するものもあるため、テクノロジ・イノベーションのリーダ
ハイプサイクル ガートナーが発表した、ハイプサイクルの発表の件に注目しています。 ZDNet Japan(2020/8/19) japan.zdnet.com 米Gartnerは、先進的な技術の最新動向をまとめた「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。注目すべき30の先進テクノロジーを取り上げ、この中には「コンポーザブルエンタープライズを実現するもの」「テクノロジーに対する社会の信頼回復を目指すもの」「人間の脳の状態を変化させるもの」が含まれている。 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年(出典:ガートナー、2020年8月) これはこれで納得感があるのですが、もう1つ面白い資料を引用します。2012年にガートナーが出した同様の図です。 Enterprise Zine(2012/9/6) enterprisezine.jp 米ガートナーは、「先進テクノロジのハイプ・
米IBMは8月20日(米国時間)、同社の量子コンピュータの性能が1月に発表したものから2倍に向上したと発表した。同社が提唱する「量子ボリューム」(QV)という指標で64に到達したとしている。 今回QV64を達成したのは、27量子ビットで構成されたシステム。1月の時点では28量子ビットのシステムでQV32を達成していたが、回路の最適化などハードウェアの改良を施すことでほぼ同じ量子ビット数ながら性能を向上できたという。 量子ボリュームは量子ビットの数だけでなく、エラー率や計算可能時間(コヒーレンス時間)などを総合的に考慮した指標。IBMは量子コンピュータの性能を年々2倍に増やすロードマップを描いており、その通りに進めば2030年までに量子コンピュータの実用化が見込めるとしている。実際には17年のQV4から、18年のQV8、19年のQV16、20年1月のQV32と順調に達成しており、今回は前倒し
「フードテック(foodtech)」という言葉が広く普及しつつある。これは、食品関連サービスと情報通信技術(ICT)が融合した新しい産業分野を指す言葉だ。昨今、そのフードテックは食料の生産から加工、そして食卓に並ぶ瞬間まで全過程の技術に取り入れつつある。 なかでも、「分子調理法(分子ガストロノミー)」は、そのフードテックの代表的な事例のひとつとなる。 食材を分子単位まで研究・分析することから名付けられたこの調理法では、食材の質感や調理過程を分析。粉砕したり、泡にすることで、味や香りを失わないまま調理を行う。調理器具としては、おなじみのものから最先端の技術を取り入れた機器まで利用する。 分子調理法を使用して、思いがけない原料から肉類を作り出すこと可能だ。例えば、米スタンフォード大学生物学教授であるパトリック・ブラウン(Patrick O. Brown)氏が設立したインポッシブル・フーズ(im
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