米グーグルは今回の量子超越性の実証を「ライト兄弟による1903年の有人初飛行」になぞらえた。その背景には、同社の強烈な野望がある。飛行機の性能はライト兄弟が有人飛行に成功すると急激に向上し、有用性を世に知らしめた。それと同じことが量子コンピューターにも起こると同社は主張しているのだ。 実際にグーグルは野心的なプランを2つ発表している。 1つは10年以内での万能量子コンピューターの開発だ。グーグルはNatureに掲載した今回の論文で、量子コンピューターの計算能力は今後「Double-exponential rate(二重の指数関数的速度)」で向上するとの見方を示している。この成長速度に従うと、量子コンピューターの性能を決める量子ビットの数はSycamoreの54個から、10年以内に100万量子ビットにまで増えるのだという。 グーグルの量子コンピューター開発の責任者とカリフォルニア大学サンタバ