巻頭には常連執筆者らによる寄稿が並んでいるが、平川先生だけほかの人の分量をはるかに超えてけっこう長いものを書いている。先日いただいたお手紙と重なる箇所もあるが、富士山を見て感動するのは神道的精神で、だから天皇は尊いとかいうものである。 しかし相変わらずな、すぐ見破れるトリッキーな文章も、やはりある。すぐばれるところがまた憎めないところでもある。というのは、1975年、美濃部−石原の都知事選の頃、天皇がなくなったら美濃部大統領とか石原大統領になるんだぞ、と誰かが言ったら、「それなら昭和天皇のほうがいいな」と新左翼の学生が言ったという。その当時「昭和天皇」とは言わないはずだし、事実の確認はできないが、まあそれはいい。続けて、日本を共和制にして小沢大統領でもいいという者はいないだろう、とある。いえ先生、ここにいます。 小沢でなくてもいいのだが、佐藤優もそうだが、こういう議論をする人は、意図的に、