書庫であり、書斎であり、アトリエでもあり、見方を変えれば整理不可能なあきれた物置、そして夜毎独り呑みの空間である6畳の部屋。そこにある机上、および手が届く範囲には常時4、50冊の本が積まれているか並んでいます。未読のいわゆる<積読本>がある一方、何らかの理由で昔の本を書架の奥から探し出し、ものぐさで元に戻さないままになっているのも結構あります。 そんな<出戻り本>が手元に積み重なる原因の一つは、今読んでいる作品から連想が弾けて、「確か...」と以前に読んだけれど記憶が曖昧な本を再び開きたくなるためです。 この1年半、途切れ途切れに「源氏物語」を読み進めながら、源氏について書かれた<出戻り本>や新しい関連本が、手の届く範囲で一角を占めるまでになりました。 面白いのは<出戻り本>でありながら、拾い読みして刺さる一節に遭遇すると(かつて読んだはずなのに全く記憶に残っていない)、そもそもの発端であ