東京や深センなどで開催されているDIYの祭典、メイカーフェアはタイ・バンコクでも毎年開かれている。バンコクでのメイカーフェアを初期からサポートしているのが、Gravitechという企業だ。同社は2019年末、バンコク郊外の工業団地に新しい工場を建設した。1日1万ユニットの製造数を誇るPCBA(部品を実装したプリント基板)の製造ラインは、スマホなどの製造も可能な微細な組み立て設備を備え、PCBの調達含めてタイでのサプライチェーンを組み上げている。 Gravitechの新工場 今はコンピューター教育プロジェクト関連で政府からの受注も多く、タイのメイカームーブメントをけん引するといっても過言でないGravitechだが、タイでイノベーションを起こすのは、長く困難な道だった。 CEO(最高経営責任者)を務めるバンコク出身のパンは高校卒業後、米国に渡り、カリフォルニア州で電気回路の修士号を取得。その