陛下のオックスフォード大への留学体験が十分にいきた訪英だった。英語の習得はもちろんだが、英国を親しく思う気持ちが根底にあり、それを英国の人々は知っている。温かさがあふれる訪英だった。 最終日にお二人はオックスフォード大学に足を運んだ。陛下と同じく留学していた雅子さまは、名誉法学博士号を授与されとてもうれしそうに笑っていた。勉強が好きな努力家の小和田雅子さんが皇后になった。そのことを思い出させる笑顔だった。 陛下と雅子さまは、きまじめな優等生という点で「似たもの同士」だと思っている。バッキンガム宮殿での陛下のスピーチも、及第点以上だった。「過去」と「現在」と「未来」を語ることがマストだが、注目されるのは「過去」。そのことをのみこんだ上で陛下が示した「解」は、主語を「祖父」と「父」にするというものだった。 陛下が紡いだ未来志向のメッセージ 日本の皇室と英国の王室の親交は、明治天皇と少年だったジ