7月上旬にかけて、ネット銀行の不正引き出しが多発した。最も高額の被害にあった被害者は言う。「狙い撃ちにされてはどうしようもない……」 「スパイウェアで500万円も盗まれるなんて……」。オンラインショップでインテリア商品を販売するT社長はため息混じりに口にした。7月上旬にかけて、ネット銀行の不正引き出しが相次いだ。PCに仕込まれたスパイウェアによって、口座番号や暗証番号が盗み取られていたのが原因。全国銀行協会(全銀協)によると、現在のところ3行で合計940万円の被害が明らかになっている。 T社長は被害者の1人。最近取引を開始したインターネット口座から500万円をかすめ取られた。一連の被害で最も高額なケースだ。 7月5日の朝、T社長がいつものようにメールを確認していると、銀行から身に覚えのない電子メールが届いた。 「7月5日受付のメールアドレスの変更手続を完了しました」 自身で変更した覚えはな
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