文部科学省が高等教育機関での職業教育重視を目指す「有識者会議」を立ち上げ、その方向へ政策の舵を切りつつあるようだ。筆者は、名古屋の私立大学に勤務する友人から教えられて、平成23年1月31日に示された中央教育審議会「今後の学校教育におけるキャリア教育・職業教育のあり方について(答申)」(抄)に目を通す機会があった。さらに、昨年9月30日、文科省生涯学習政策局長と高等教育局長の「決定」として、「『実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議』の開催について」が公表され、その後、本年5月以降毎月、「有識者会議」(特別部会)が開催され議論が続いているようだ。 現在明らかにされている文科省の基本的な考えは次のようなものである。雇用環境の変化、人材需要の高度化、職業の多様化の中で、職業実践的な教育に特化した枠組みが求められていること、人材育成ニーズと高等教育機関が行う職業教育への