ノーベル生理学・医学賞受賞が決まった京都大学の本庶佑特別教授らは、従来のがん治療の常識を一変させた。体を守る免疫を強めてがんを倒すのではなく、がんが身を守る仕組みを突き止め、これを逆手に取って治療につなげる戦略を実現した。手術や抗がん剤、放射線治療に続く第4のがん治療法の普及に道を開いた。(1面参照)1日の会見で本庶氏は免疫を抑えていたたんぱく質「PD-1」の発見について、「(当初は)がんに関
「毎年2億人以上を感染症から救う」といわれる日本人は、医師ではない。有機化学者大村智が静岡県の土中の微生物から開発したわずか3ミリの錠剤は、感染症予防に絶大な効力を発揮。医師でも難しい偉業を成し遂げた。経歴は異色で、東京の定時制教員からスタートしながら、「ノーベル賞候補」に名前があがった。2015年、ノーベル医学・生理学賞を受賞。「人のまねをするな」。人生を貫く深い信念がある。 アフリカの奥地に届く「奇跡の薬」 アフリカの田舎の、さらに奥地。医師のいない集落にも、その薬は届いている。「この薬を1回、飲んでください」。集落の代表者が住民一人一人に薬を配り、失明を引きおこすオンコセルカ感染症を防ぐ。病気を防ぐだけでなく、現地の人がより働けるようになり、食糧増産など経済効果も大きいという。 「薬を飲ませる」作業は、簡単ではない。現地は言語が多様で、薬の適切な服用量を測るうえで必要な体重計すらない
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