埼玉県内屈指の観光地である秩父市に、若者客が急増している。同市をモデルにしたアニメが放送され、ファンが作品に登場したスポットを訪れているためだ。同市の観光客は今まではハイカーなど中高年が中心だっただけに、地元は「新たな層が来てくれて活気づく」と歓迎。夏休みシーズン到来を前に、ますます盛り上がりを見せている。(塩塚夢) きっかけとなったのは、フジテレビ系で4~6月に放送されたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(通称『あの花』)。秩父市を舞台設定のモデルにした青春群像劇で、深夜帯にもかかわらず4パーセント近い視聴率を記録したこともあるなど、高い人気を集めた。 同作では具体的な地名には言及していないが、秩父市に実際にある建物や路地などが登場。放送開始前後から、ファンが「聖地巡礼」と称して訪れ始めた。 人気の“巡礼”スポットの一つが、同市の荒川にかかる秩父橋。もともとは住民が行き来