だが、そのときの香港人スタッフの掛け声の発音が面白かったのだ。当初、彼らは「フリー・アッネース!(Free Agnes!)」と、流暢な英語発音で周庭の英語名を叫んでいたのが、途中から「あ・ぐ・ね・す(A・GU・NE・SU)」と母音をはっきり強調する日本語式のカタカナ発音に変えたのである。 英語をそのまま発音しても、大多数の日本人にはあまり通じないことを一瞬で見て取った、香港人らしい語学センスの高さを感じさせる行動だろう。さておき、このメッセージが同胞の香港人向け以上に、日本人に向けて強く発信されていることがよくわかる光景だった。 「逮捕中は欅坂46『不協和音』を思い出した」 国安法の施行前まで香港自決派の政党・デモシスト(すでに解散)のメンバーだった活動家・周庭が8月10日に逮捕された事件は、日本の世論に非常に大きな衝撃を与えた。 ツイッターでは彼女の釈放を求める「#FreeAgnes」の