5日に亡くなったアニメ監督の高畑勲さんの代表作「火垂(ほた)るの墓」。戦争に翻弄(ほんろう)され、悲しい最期を迎える兄妹を描いた作品だが、主人公の行動に対して「自己責任」論のような見方が生まれている。一方で、こうした批判を見越したかのような1988年公開当時の高畑監督のインタビューが「予言めいている」と注目を集める。 死去を受けて13日、日本テレビ系で急きょ「火垂るの墓」が放映された。ネット上には戦争のむごさを改めてかみしめる感想が並ぶ一方で、悲劇的な結末を招いたのは「自業自得」というような言葉も目立った。 主人公・清太と妹の節子は、父親の出征中に空襲に遭い、母親を亡くす。親戚のおばさん宅に身を寄せるが食事の内容に差をつけられたり、「疫病神」と嫌みを言われたりすることに耐えられず、横穴で2人きりの生活を始める。しかし、節子は栄養状態が悪化し、やせ衰えて死ぬ。 「我慢しろ、現実を見ろ、と…