組合に一切の興味がない辻村氏のような社員にとり、ストライキなど理解不能な世界である。「労組のしていることは、まともとは思えなかった」と辛辣だ。 JR東労組の執行部は2018年の春闘で会社側にストを辞さないと通告した。このことを辻村氏は「まともではない」と感じたと話す。辻村氏だけではなかった。大半の組合員が嫌気し、脱退者が続出。組織率が8割を超え、4万7000人を誇ったJR東労組の組合員数は、現在5500人まで激減している。 JR東労組は合理化策に反対することも多く、会社側にとっては目の上のたんこぶであった。いつか組合との関係にケリをつけねばならないと考えていたところに、執行部がストを辞さない構えを見せた。この機会を逃さず、会社側は一気呵成(かせい)に組合を切り崩した(「官邸、五輪控え『JR革マル』排斥」で詳報)。