女の気持ち：自転車との別れ 大阪府高槻市・三輪田フミ子（無職・８６歳） - 毎日ｊｐ(毎日新聞)自転車の増加とともに乗る人のマナーが社会問題となり、罰則も定められたある日、娘に「お母さんも気をつけてね。老人はちょっとしたことで、すぐ骨折するから。そろそろ自転車からの卒業も考えてね」と言われました。 「分かっています」と答えながらも、自転車のない生活を思うと頭が痛みました。例えば通院。娘は「タクシーを使って。その方がよほど安くつくこともあるのよ」と事もなげに言うのですが……。 結婚して初めて自転車に出会った山里育ちの私。日ごろから安全運転を心がけていますが、ある日、災難はやって来ました。曲がり角で自転車同士が衝突したのです。私がブレーキを握るのが一瞬遅かったのですが、相手は転倒した私をチラリと見て、そのまま行ってしまいました。 倒れたままの姿で考えました。頭の左側をゴツンと打ったのは覚えています。両手はオーケー。両足も動く。頭も打撲のみ。そーっと起き上がり、ハンドルを持って歩いて帰宅。
