世の中に閉塞感が増してくると、幕末~明治維新のヒーローたちに注目が集まる。日本全体が沈みつつあるなかで、今も熱っぽく坂本竜馬の生き様を語るソフトバンクの孫正義社長に話を聞いた。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集部 池冨 仁) 孫 正義(そん・まさよし)/ソフトバンク代表取締役社長 1957年、佐賀県生まれ。米カリフォルニア大学バークレー校卒業。81年、24歳で日本ソフトバンク(現ソフトバンク)を起業。舌鋒鋭いベンチャーの雄として知られるが、2010年9月に創業30周年を迎える。 ──これまで、正論の直球勝負で世間の喝采を浴びながらも、その反対に誤解されたこともあると思います。ご自身で振り返って、どう考えていますか? そうですね。今から7~8年前だったと思いますが、仕事で台湾を訪れた際に、現地の新聞の一面に私のことがデカデカと取り上げられていました。 その見出しには、「投資冒険家、孫正