サクラエビの春漁の終了が決まり、漁船を片付ける漁業者たち=静岡市清水区の由比漁港で2019年6月6日、大谷和佳子撮影 静岡県の駿河湾で取れるサクラエビが記録的な不漁に直面している。今年の春漁の水揚げ量は85.3トンと過去最低を更新した。県桜えび漁業組合は漁の自主規制を敷いて資源回復を目指すが、「漁業者の生計維持も考えなければならない」と苦しい立場だ。専門家からはサクラエビの生態を踏まえ踏み込んだ規制が必要との声も上がる。 サクラエビの漁期は春(3月下旬~6月上旬)と秋(10月下旬~12月下旬)の年2回。沿岸の漁協は1977年から、乱獲を防ぐため所属する漁師が水揚げ金額を均等に分ける「プール制」を敷いてきた。年間の水揚げ量は記録がある89年以降、94年の3478トンをピークに2008年までは1600~2000トン台が多かった。