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2020年9月12日のブックマーク (11件)

  • 今週の本棚:村上陽一郎・評 『シンボルの哲学 理性、祭礼、芸術のシンボル試論』=S・K・ランガー著、塚本明子・訳 | 毎日新聞

    (岩波文庫・1584円) 言語からはみ出すジャンルの論理性 旧訳はあるが、今回新訳で文庫として出版されることになった。原著の初版は一九四二年の刊行、その後何回か版を重ねている。著者(一八九五-一九八五)はアメリカで女性の哲学者として認知された、最初の人物だろう。アメリカ生まれではあるが、両親ともにドイツ系で(因(ちな)みに結婚した相手もドイツ系だった)、彼女の母語はドイツ語だったという。幼い頃からピアノを弾き、終生チェリストでもあった。母語がドイツ語だったことは、当時の先行するドイツ語系の哲学書、カッシーラーに代表される新カント派、ヴィトゲンシュタインを象徴とするウィーン学団と呼ばれる論理実証主義の一派などに親しむのに有利な立場にあり、アメリカにいることで、ラッセル、ホワイトヘッドなど英米系の同時代的哲学思想、さらには、心理学の新しい成果(例えばケーラーのゲシュタルト概念)などを読み込む環

    今週の本棚:村上陽一郎・評 『シンボルの哲学 理性、祭礼、芸術のシンボル試論』=S・K・ランガー著、塚本明子・訳 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”本書を貫く最大のキーワードは、言うまでもなく「シンボル」で、だからこそ邦訳のタイトルも伝統的に「シンボルの哲学」とされるが、シンボルという概念設定をしたとたんに、常識は裏切られる”
  • 今週の本棚:張競・評 『東京裏返し 社会学的街歩きガイド』=吉見俊哉・著 | 毎日新聞

    (集英社新書・1078円) 都市のあり方を思索するために やや隠喩ふうの書名だが、副題が示したように街歩きのである。しかし、従来の町案内や文学散歩と違って、街歩きを通じて東京に対する見方や考え方をひっくり返すのが書の狙いである。 都市を空間的な展開として捉えるだけでなく、時間的存在として理解することは新たな発見の岸辺へ導くきっかけとなった。長い歴史的時間の積み重ねとして東京の街を眺めると、中世以前の時間層と近世江戸の時間層、明治以降と戦後の時間層が継起しながら、折り重なっていることがわかる。戦後、都心は大規模に改造され、文化の中心は六木や青山から原宿、渋谷一帯に移った。しかし、中世や近世の時間に目を転じると、浅草、上野、郷、湯島、神保町など都心北部において歴史時計の刻み方が違っていることがわかる。 効率を重視する現代では、スピードが美徳とされている。地上にも地下にも分刻みの正確さを

    今週の本棚:張競・評 『東京裏返し 社会学的街歩きガイド』=吉見俊哉・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”川からの眺めも意外な視点を提供してくれる。ビルが川を背にして建っている現在、川からは東京の裏しか見えない。かりに川からの眺めを東京の表の顔に変えれば、東京を裏返すことができる”
  • 今週の本棚:小島ゆかり・評 『サキの忘れ物』=津村記久子・著 | 毎日新聞

    (新潮社・1540円) 孤独に向けた温かい眼差し 九つの短篇集。期待どおりの多彩な設定、刺激に満ちた九篇であるが、その最初と最後に、偶然のいきさつによるささやかな出会いをテーマとする二篇、「サキの忘れ物」と「隣のビル」が置かれていることが、妙に心に残った。 巻末の初出を見ると、やはり発表順に並んでいるわけではないから、この構成にもなにがしかの作家の思いがあったにちがいない。 「サキの忘れ物」は、アルバイト先の喫茶店に客が忘れていった一冊のから、ストーリーが動き出す。主人公の千春は、高校を中退し、を最後まで読んだことすらない。自分のやることすべてに意味などなく、何をやっても誰もまともに取り合うはずもない。そう思いながら、息を殺すようにして日々を過ごしている。が、なぜかそのを読んでみようとするところから、時間が人間関係が、にわかに生気を帯びてゆく。

    今週の本棚:小島ゆかり・評 『サキの忘れ物』=津村記久子・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”あのときなぜ、あんなことをしてしまったのか。そう思い返すような体験はだれにでもある。自分でもうまく説明できない感情や行動。それこそがむしろ、一人語りでしかない人生の、孤独の正体かもしれない”
  • 今週の本棚:中島岳志・評 『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』=高田宏臣・著 | 毎日新聞

    ◆『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇(よみがえ)る古の技』 (建築資料研究社・2750円) 土砂災害を防ぐ自然に沿う知恵 集中豪雨、大型台風、地震。そのたびに土砂崩れなどのニュースが流れる。また、近年は各地で海岸の松枯れが相次いでいる。造園・土木設計施工を業とする著者は、そのほとんどが、自然の平衡状態が崩れていることに要因があると指摘する。注目するのは「土中環境」。土中の水と空気の流れが停滞することで、問題が起きているという。 著者が強調するのは、良い森とヤブの違いだ。良い森は植物種が多様で、樹木の世代バランスがいい。木々が密集しておらず、風通しや見通しもよい。一方、ヤブは森林植生の多様性が失われ、植物同士の棲(す)み分けが崩壊している。見通し・風通しも悪く、そこにいても心地よさがない。

    今週の本棚:中島岳志・評 『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』=高田宏臣・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”造園・土木設計施工を本業とする著者は、そのほとんどが、自然の平衡状態が崩れていることに要因があると指摘する。注目するのは「土中環境」。土中の水と空気の流れが停滞することで、問題が起きているという”
  • 今週の本棚:岩間陽子・評 『インドネシア大虐殺』『楽園の島と忘れられたジェノサイド』=倉沢愛子・著 | 毎日新聞

    ◆『インドネシア大虐殺』 倉沢愛子著(中公新書・902円) ◆『楽園の島と忘れられたジェノサイド』 倉沢愛子著(千倉書房・3520円) 冷戦の「沈黙の扉」を開く 私の父は商社マンだった。幼い頃の父は、数か月に一度お土産を抱えて帰ってくる人だった。私へのお土産は、いつも民族衣装を着たお人形で、やがてガラス戸棚いっぱいのコレクションとなった。その中には東南アジアの人形がたくさんあった。極彩色のタイの踊り子、アオザイを着たベトナム娘、不思議な風貌のインドネシアの操り人形。あの頃、一体父はどんな風景を見たのだろうか。この二冊のの中身も、同世代人が生きている内容だが、おそらく初めて知る人がほとんどではないか。 一九六五年秋から六六年にかけて、インドネシアで大虐殺が起こった。犠牲者の数は、五〇万人とも二〇〇万人以上とも言われる。ポルポト政権下のカンボジアでの大虐殺に匹敵する数だが、カンボジアの事件

    今週の本棚:岩間陽子・評 『インドネシア大虐殺』『楽園の島と忘れられたジェノサイド』=倉沢愛子・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”一九六五年秋から六六年にかけて、インドネシアで大虐殺が起こった。犠牲者の数は、五〇万人とも二〇〇万人以上とも言われる”
  • クローズアップ:コロナ、インフル 今冬の同時流行、備えは | 毎日新聞

    クリニック内での感染を防ぐため、発熱などの症状がある人は申し出るよう案内する張り紙などを掲示している=東京都板橋区の望月内科クリニックで、御園生枝里撮影 今冬は、季節性インフルエンザに新型コロナウイルス感染症が加わる同時流行が懸念されている。今春の「第1波」とは桁違いの数の発熱患者が発生した場合、医療機関は混乱なく診察できるのか。重症化予防のための備えとして期待されるインフルエンザワクチンの供給体制は万全か。準備を進める医療現場や行政の動きを探った。

    クローズアップ:コロナ、インフル 今冬の同時流行、備えは | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”現在、発熱患者は多い日でも数人で、まだ対応できているという。ただ冬になると例年10~20人に増える。クリニック内に検査用の個室を新設した方がよさそうだが、望月紘一医師は「小さなクリニックでは難しい”
  • 米国の選択:2020年大統領選 中露イラン、サイバー攻撃 トランプ・バイデン陣営に マイクロソフト発表 | 毎日新聞

    トランプ米大統領が2020年大統領選への立候補を正式に表明し、再選に向けた活動を格化させた。選挙スローガンは前回から「米国を偉大なままに」と変わったが、訴えの中身は変わらないまま。分断した政治状況の中で、自身の支持層の共感のみを追求するスタイルを貫く構えだ。

    米国の選択:2020年大統領選 中露イラン、サイバー攻撃 トランプ・バイデン陣営に マイクロソフト発表 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”米IT大手マイクロソフト社は10日、11月の米大統領選への介入を目的としたロシア、中国、イランからの組織的なサイバー攻撃を探知したと発表した”
  • くらしナビ・ライフスタイル:「愛の不時着」12の疑問/下 南北男女の恋と統一問題 | 毎日新聞

    <くらしナビ ライフスタイル> 大ヒット中の韓国ドラマ「愛の不時着」について、元NHK記者で北朝鮮情勢に詳しい桜美林大の塚壮一教授(55)に12の疑問を聞くシリーズの後編。はたして北朝鮮韓国男女が、恋に落ちることはあるのか。ドラマによって韓国の人たちの対北朝鮮感情に変化はあるのか。塚氏の答えは――?

    くらしナビ・ライフスタイル:「愛の不時着」12の疑問/下 南北男女の恋と統一問題 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”はたして北朝鮮と韓国の男女が、恋に落ちることはあるのか。ドラマによって韓国の人たちの対北朝鮮感情に変化はあるのか。塚本氏の答えは――?”
  • 小中生個人端末配備2% 「年度内全自治体」未達も 先月末 | 毎日新聞

    タブレット端末を使って授業を受ける児童。端末が配布されたのは一部の学校にとどまる=水戸市立下大野小学校で2020年7月、森永亨撮影 文部科学省は11日、全国の小中学校で児童生徒が1人1台のパソコンなどのICT(情報通信技術)端末を使って学ぶ環境を整える「GIGAスクール構想」について、公立校への端末配備の進捗(しんちょく)状況(8月末時点の速報値)を発表した。2020年度中に配備を終えるのが目標だが、8月末までに端末の納品が済んだのは1811自治体のうち37自治体(2・0%)にとどまった。名古屋市など7自治体では、納品が21年度以降にずれ込む可能性があるという。 全国の自治体が一斉に端末の購入を進めているため、メーカーの供給が追いついていないとみられる。

    小中生個人端末配備2% 「年度内全自治体」未達も 先月末 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/09/12
    ”全国の自治体が一斉に端末の購入を進めているため、メーカーの供給が追いついていないとみられる”
  • 自民党総裁選情勢 菅氏、総得票7割うかがう 議員300票迫る | 毎日新聞

    自民党総裁選(14日投開票)について、毎日新聞が取材に基づき情勢を探ったところ、党内7派閥のうち5派閥から支持を受ける菅義偉官房長官(71)が国会議員票(394票)の約7割を固め、300票に届く勢いとなっている。菅氏は地方票(141票)でも毎日新聞の動向調査で80票を超える勢いで、全体(535票)の得票割合でも7割をうかがう。菅氏は14日の両院議員総会で新総裁に選出される見通しだ。 議員人や秘書、党・派閥幹部などへの取材を基に分析した。明確な回答を得られなかった議員などは無回答扱いとした。

    自民党総裁選情勢 菅氏、総得票7割うかがう 議員300票迫る | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/09/12
    ”菅氏は地方票(141票)でも毎日新聞の動向調査で80票を超える勢いで、全体(535票)の得票割合でも7割をうかがう。菅氏は14日の両院議員総会で新総裁に選出される見通しだ”
  • 自民じわり早期解散論 止まらぬ「期待」発言 支持率上昇受け | 毎日新聞

    自民党内で新内閣発足後の早期に衆院解散・総選挙に踏み切るべきだとの声がじわりと広がってきた。安倍晋三首相の辞任表明後、内閣と自民党の支持率がともに上昇。2021年10月の衆院議員任期満了が約1年後に迫る中、新政権の勢いがあるうちに解散すれば、選挙戦に有利との判断からだ。 「おそらく10月のどこかで行い、来年の東京オリンピック・パラリンピックへ準備を整えていくだろう」。河野太郎防衛相は9日夜、米シンクタンク主催のオンラインイベントで、衆院解散・総選挙の時期を予想してみせた。現職閣僚の発言だけに国内外で報じられるなど波紋を広げ、河野氏は11日、「口を慎む」と陳謝した。 だが、党内では早期解散に関する発言が止まらない。鈴木俊一総務会長は6日放送のBS番組で「私もそういう(解散の)誘惑に駆られる一人だ」と述べるなど期待感を隠さなかった。 早期解散論が広がったのは8月2…

    自民じわり早期解散論 止まらぬ「期待」発言 支持率上昇受け | 毎日新聞
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    taketake89 2020/09/12
    "安倍晋三首相の辞任表明後、内閣と自民党の支持率がともに上昇。2021年10月の衆院議員任期満了が約1年後に迫る中、新政権の勢いがあるうちに解散すれば、選挙戦に有利との判断からだ"