新型コロナウイルスの流入を阻止しようと、1月末から厳格な国境封鎖を8カ月間も続けてきた北朝鮮。だが、10月初旬に中国東北部・吉林省延辺朝鮮族自治州琿春市の中朝国境地帯を歩いてみると、これまでとは違った動きが見えてきた。貿易による国際物流は血の流れにも例えられるが、それが半ば止まってしまった北朝鮮は経済への大打撃という悪影響に耐えきれなくなっているようだ。 中朝国境を流れる豆満江(トゥマンガン)(中国名・図們江)の向こう側で、北朝鮮兵士が厳しい警戒を続けていた。対岸は北朝鮮北部・咸鏡北道(ハムギョンプクド)。多い所で5~6メートル間隔で兵士が立ち、10人前後で何かを捜索しているような動きも見えた。それぞれが黒いマスクを着け、銃を携えている。