北朝鮮の朝鮮労働党大会で党総書記に選出された金正恩氏(手前中央)=平壌で10日、朝鮮中央通信・朝鮮通信 北朝鮮の最高指導者である金正恩(キムジョンウン)氏が10日、2011年に亡くなった父親の金正日(キムジョンイル)氏と同じ朝鮮労働党の総書記に就任した。浮かび上がるのは、経済的な苦境が続く中、過去への回帰で国内の結束を図らざるを得ない北朝鮮の現状だ。【ソウル渋江千春】 今回、金正恩氏はポスト新設ではなく、祖父や父を連想させる肩書の復活を選んだ。ラヂオプレス(RP)によると、祖父の故金日成(キムイルソン)国家主席は1966年10月から死去する94年7月まで党中央委員会総書記を務め、父親の故金正日氏も97年10月から死去する11年12月まで総書記を名乗った。 金正日氏から権力を世襲した金正恩氏は、核・ミサイル開発にまい進。核実験を繰り返し、17年11月には大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星1