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2021年2月6日のブックマーク (14件)

  • 今週の本棚:池澤夏樹・評 『チェーホフの山』=工藤正廣・著 | 毎日新聞

    (未知谷・2750円) ロシア愛に満ちた勝手放題な話 おそろしく濃厚な小説である。 書評者としてどこから手を付けていいかわからない。 プロットの要約が難しい。画面の中心を動いてゆくのはガスパジン・セッソン(ミスター雪村)という日人。 スタートはシベリア鉄道のモスクワの駅だが、その後、舞台はサハリンに移る。北海道の北にある縦長の島で、その南部はかつては樺太(からふと)と呼ばれて日領だった。更にその前はロシアの流刑囚の地。 一八九〇年、アントン・チェーホフは短篇作家・戯曲作家として名声を得ていながら業の医者として一万キロ八十日間のシベリアの旅を経て来島し、八千人の囚人の疫学的な面接調査を行った。

    今週の本棚:池澤夏樹・評 『チェーホフの山』=工藤正廣・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “チェーホフの名は随所に登場するけれど、ミロラドの話しぶりはむしろドストエフスキーを想起させる。例えば『カラマーゾフの兄弟』の高僧ゾシマとか。議論の展開が野放図なのだ”
  • 今週の本棚:中島岳志・評 『熊楠 生命と霊性』=安藤礼二・著 | 毎日新聞

    (河出書房新社・2640円) 科学と宗教を統合する、起源への問い 生命はいかにして誕生したのか。生物の起源への問いは、いまだに決着がついていない。 人類は長年の間、この問いに宗教的側面からアプローチしてきた。世界中で様々な創世神話が語られ、無数の経典が綴(つづ)られてきた。一方、近代は自然科学的アプローチが主流となり、生物学的な進化論が発展した。しかし、生命の誕生の謎は十分には解けていない。 この両方のアプローチを融合しようとし、宇宙の構造に肉薄しようとした日人がいた。南方熊楠である。彼は生物学者でありながら、民俗学者であり、宗教思想家でもあった。書の著者は、熊楠のなかに日思想の壮大な可能性を見出(みいだ)す。

    今週の本棚:中島岳志・評 『熊楠 生命と霊性』=安藤礼二・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “熊楠は、生命の原型に強い関心を持ち、その姿を科学的にとらえようとした。そこで注目したのが「粘菌」の存在だった”
  • 今週の本棚・話題の本:『アル中ワンダーランド』=壇蜜 | 毎日新聞

    あれもだめ、これもだめ……感染症の拡大を抑えるための新たなルールが決まり、張り合いにしていた楽しみが奪われた方も多いだろう。旅行、外、仲間同士集まってワイワイ等々、様々なことを自粛するのに疲れてしまったという話はよく耳にする。 皆状況は同じ、ずっと続くことじゃないから今は我慢……と、頭では分かっている。しかし、時々理性を司(つかさど)るスイッチがパチンと切れて、衝動的に何かをしてしまうという人々が増えたという。脳に刺激を与えて、欲求の逃げ道を作るのだ。逃げ道は、飲酒、ギャンブル、自傷、破壊など、心身に不健康な影響を与える行為が選ばれがちである。 漫画『アル中ワンダーランド』(扶桑社文庫・715円)は著者で主人公のまんきつ氏が、執筆活動と主婦業の両立で行き詰まり、気分転換のつもりで飲酒するところから始まる。気持ちが高揚し、軽やかに活動できるようになったため、飲酒をすれば全てはかどるというか

    今週の本棚・話題の本:『アル中ワンダーランド』=壇蜜 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “飲みたい気持ちを我慢できない、飲みたくなくても脳が「飲みなさい」と指令を下すという症状を受け入れながらも、漫画を描くために立ち直る決意をする彼女の日々は、気持ちがヒリヒリした”
  • 今週の本棚:角田光代・評 『じい散歩』=藤野千夜・著 | 毎日新聞

    (双葉社・1760円) 日常を包むやさしさ 明石新平八十九歳、の英子は八十八歳。孝史、建二、雄三の三人息子はみな五十歳前後。都内の一軒家には、孝史と雄三が同居している。新平の毎日はルーティーンで成り立っていて、目覚めると自身で編み出した健康体操をし、自身で考えた健康朝をとり、新聞を読み、庭や鉢植えの手入れをして、英子に断って散歩にいく。 健啖(けんたん)家の新平は、散歩の途中、昼を外ですませ、甘味のみやげを買って、秘密の部屋に立ち寄る。かつて自宅のあった場所に建てた賃貸アパートの一室は、営んでいた明石建設の事務所も兼ねているが、新平が集めたお宝、昭和のエロス関連の雑誌や写真集といったコレクションもここにある。

    今週の本棚:角田光代・評 『じい散歩』=藤野千夜・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “読んでいるとまったき至福感に包まれる。晴天の午後、急ぐ用もなく足の痛みもなく、雲を眺めたり塀を歩く猫を眺めたりして、私まで散歩している気持ちになる”
  • 今週の本棚:大竹文雄・評 『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか 生存戦略としてのネットワーク…』=戸堂康之・著 | 毎日新聞

    ◆『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか 生存戦略としてのネットワーク経済学入門』 (プレジデント社・1870円) 新しいアイデアが生まれる 新型コロナウイルス感染症対策では、普段会っていない人との接触を避けることが効果的だ。緊急事態宣言下では、不要不急の外出の自粛も求められる。外国との行き来は更に困難になっている。いわば「よそ者」との付き合いを最小にせよと求められている。確かに、感染対策を考えると、もっともなことだ。 人との接触を避けることのマイナス面には様々なものがある。経済的には、接客や飲などの対人サービス業、エンターテインメント、スポーツなど人が集まることを前提とした産業、そうした場を提供する産業、観光業、輸送業などが大きな痛手を受ける。

    今週の本棚:大竹文雄・評 『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか 生存戦略としてのネットワーク…』=戸堂康之・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “なぜ、「よそ者」との付き合いが減ると生産性に影響するのだろうか。「三人寄れば文殊の知恵」というメリットが活(い)かせなくなるからだ”
  • ミャンマークーデター 寝込み襲われ、2日間軟禁 NLD上院議員、未明に直感 | 毎日新聞

    連邦議会議員の住居エリア付近の検問所を警備する兵士ら=ミャンマーの首都ネピドーで2021年2月3日、ロイター ミャンマー国軍による1日のクーデターで、国会の開会に合わせて首都ネピドーの政府宿舎に滞在していた与党・国民民主連盟(NLD)の議員ら約400人は、寝込みを襲われる形でそのまま1日半以上、宿舎に軟禁された。国軍はその間、ミンアウンフライン最高司令官を議長とする「連邦行政評議会」を設置するなど、支配体制の確立を進めた。議員らの多くは解放されたが、ミャンマーの人権団体によるとNLDの最高幹部ら147人は拘束されたままだという。 NLDのワインマウンソー上院議員が、毎日新聞の電話取材に軟禁時の状況などを語った。政府宿舎は広大な庭や喫茶店などを備えた大規模施設。民政移管された2011年から議会開会中は議員宿舎になる。クーデター当日は、20年11月の総選挙後、初めての国会が開会するため、各地か

    ミャンマークーデター 寝込み襲われ、2日間軟禁 NLD上院議員、未明に直感 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “異変は1日午前3時45分(日本時間同6時15分)ごろ起きた。それぞれ50人ほどの兵士が乗った軍用車両4台が、宿舎敷地に入った”
  • 時の在りか:SNSは春と冬を招いた=伊藤智永 | 毎日新聞

    広場を占拠する市民に退去を促すエジプト軍幹部=2011年2月13日、カイロ・タハリール広場で=伊藤智永撮影 10年前の今ごろ、私は巨大な革命の真ん中にいた。大げさな、と思われるかもしれない。しかし、あの革命に「中心」はなく、全ては「面」だったから、どこを歩いてもそこが真ん中だったのだ。 ナイル川沿いに建つ独裁政治の牙城、日なら自民党部に当たるビルは放火されて丸焦げになっていた。カイロ中心部の広場には、警官隊がこん棒で蹴散らしても日夜、無数の人々が集まる。頭から流れる血を手で押さえながら、「それでも僕は逃げない」とまくしたてる学生の目の何と輝いていたことか。 約30年も君臨したムバラク大統領が退陣を表明した晩、大地から湧き出たような歓呼と人波でエジプト全土が揺れた。政権寄りの新聞社社屋は炎に包まれ、夜空に火の粉が舞った。老人も子供も口々に「自由だ」と叫んで笑い合っていた。

    時の在りか:SNSは春と冬を招いた=伊藤智永 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “強みは弱みでもある。司令塔の不在は、指導者の登場と育成を排斥するベクトルにもなる。「独裁打倒」といった単純なスローガンならまだしも、複雑な理念や戦略や組織を作り出すには向かない”
  • 新型コロナ 抗体保有 東京0.91%、大阪0.58% 集団免疫獲得、ほど遠く | 毎日新聞

    厚生労働省は5日、新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査を実施した結果、陽性率(保有率)は、東京で0・91%、大阪は0・58%、愛知0・54%、福岡0・19%、宮城は0・14%だったと発表した。厚労省は「感染がさほど大きく広がっていない一つの証拠だが、引き続き、感染対策を徹底してもらいたい」と説明している。 検査は2020年12月14~25日、5都府県でそれぞれ3000人前後を無作為に抽出して調べた。米品医薬品局(FDA)が緊急使用を許可した異なる2種類の方法を用い、両方で陽性となった人を「陽性者」として数えた。その結果、陽性者は東京31人▽大阪16人▽愛知16人▽福岡6人▽宮城4人。東京の場合、住民の抗体保有率は、12月7日時点の累積感染者数を基に算出した感染率(0・316%)の約3倍となった。…

    新型コロナ 抗体保有 東京0.91%、大阪0.58% 集団免疫獲得、ほど遠く | 毎日新聞
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    taketake89 2021/02/06
    “厚労省は「感染がさほど大きく広がっていない一つの証拠だが、引き続き、感染対策を徹底してもらいたい」と説明している”
  • 新型コロナ・緊急事態:自粛疲れ、募るストレス 耐えきれず「一人旅」に | 毎日新聞

    新型コロナウイルスの緊急事態宣言がまた延長された。感染防止の徹底のため、店舗での飲酒はもちろん、「不要不急」の外出は今後も自粛が求められる。「一体いつまで続くのか」。専門家の調査によれば、コロナ禍の生活で約半数の人が深刻なストレスを抱えているという。まじめに「巣ごもり」を続ける人がいる一方、自粛疲れで外出してしまう人も出てきた。 広島県に住む30代の男性会社員は先月中旬、1週間の休暇を利用して中部地方に旅行した。もともと趣味旅行で、コロナ拡大前は2カ月に1度のペースで観光していた。休日に1人で自宅にこもる生活は「とても耐えられない」と感じたという。

    新型コロナ・緊急事態:自粛疲れ、募るストレス 耐えきれず「一人旅」に | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “専門家の調査によれば、コロナ禍の生活で約半数の人が深刻なストレスを抱えているという。まじめに「巣ごもり」を続ける人がいる一方、自粛疲れで外出してしまう人も出てきた”
  • 消費支出5.3%減、最悪 外食・旅行打撃、家電は好調 昨年 | 毎日新聞

    新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年、1世帯当たりの消費支出は月平均27万7926円となり、物価変動を除く実質で前年比5・3%減だった。総務省が5日発表した2人以上世帯の家計調査で、減少率は比較可能な01年以降で最大。外出自粛で外旅行への支出が大幅に減った影響を色濃く反映したが、「巣ごもり需要」で伸びた品目もあった。 一方、2人以上の勤労者世帯の実収入は月平均60万9535円となり、実質で4・0%増えた。世帯主収入は減ったが、一律10万円の特別定額給付金などが下支えした。貯蓄も前年より平均17万5525円増えた。

    消費支出5.3%減、最悪 外食・旅行打撃、家電は好調 昨年 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “総務省が5日発表した2人以上世帯の家計調査で、減少率は比較可能な01年以降で最大。外出自粛で外食や旅行への支出が大幅に減った影響を色濃く反映したが、「巣ごもり需要」で伸びた品目もあった”
  • 職責「最後まで全うして」 森会長擁護、世間とズレ 「女性蔑視」やまぬ批判 | 毎日新聞

    女性を蔑視する発言をした東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の続投を巡り、国内外で批判が高まっている。政府や組織委などからは5日、擁護する発言が相次いだが、SNS(ネット交流サービス)では若者を中心に辞任などを求める署名活動が8万5000筆超を集めるなど盛り上がる。海外でもメディアを含めて甘い対応に厳しい論調が収まらない。 「オリンピック・パラリンピックの重要な理念である男女共同参画とも全く異なり、あってはならない発言だ」。菅義偉首相は5日の衆院予算委員会で前日に続いて森氏の発言を批判してみせた。他の閣僚からも厳しい声が続いた。だが、話が進退に及ぶとトーンは変わる。菅首相は「組織委員会は公益財団法人。首相として指示をすることはできない」と否定し、自民党幹部も「五輪、ラグビー・ワールドカップと必死にやってきた。その評…

    職責「最後まで全うして」 森会長擁護、世間とズレ 「女性蔑視」やまぬ批判 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/02/06
    “SNSでは若者を中心に辞任などを求める署名活動が8万5000筆超を集めるなど盛り上がる。海外でもメディアを含めて甘い対応に厳しい論調が収まらない”
  • 異常なだるさ、「村八分」の恐れ… 家族でコロナ感染、自宅療養の難しさと注意点 | 毎日新聞

    新型コロナウイルスの感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)し、自宅療養者数が高止まりしている。同居する家族にうつすなど、家庭内感染を引き起こすケースも少なくない。自覚症状のないまま、いきなり容体が悪化して亡くなる人も増えている。急変に対応するため、私たちは何に気をつけるべきなのか。 どこに連絡? 事は? 心のケアは? 自宅療養者数は年末から年始にかけて急増している。厚生労働省によると、12月23日は9524人だったが、1月6日に1万7484人となり、1週間後の13日には3万230人になった。同月20日には過去最多の3万5394人に。同月27日は2万6130人とやや減ったが、自宅療養者は依然として多い。 同居する家族が新型コロナウイルスに感染した時、どう対応すべきか。6人家族のうち、自身を含む5人が感染した関東地方に暮らす40代女性が取材に応じ、家族内感染を防ぐ難しさや、子どもたちの心のケアの大

    異常なだるさ、「村八分」の恐れ… 家族でコロナ感染、自宅療養の難しさと注意点 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/02/06
    “自覚症状のないまま、いきなり容体が悪化して亡くなる人も増えている。急変に対応するため、私たちは何に気をつけるべきなのか”
  • 「明日がくることが怖いのです」 真面目な24歳刑事を追い詰めた激務 | 毎日新聞

    渡辺崇寿さんの遺書のコピー。「刑事になれてよかった」とつづられていた=熊市で2021年1月29日午前10時41分、樋口岳大撮影 <死んで地獄にいくのも怖いですが、何もないところに行き消えてしまうのも怖いです。しかし、明日がくることがもっと怖いのです> 念願の刑事になってわずか5カ月後。渡辺崇寿(たかとし)さん(当時24歳)が残した遺書には、乱れた字でこう記されていた。 高校卒業後、父と同じ警察官になった渡辺さんは、熊県警玉名署勤務になって4年後の2017年4月に刑事課配属となった。母美智代さん(60)がスマートフォンで「希望していた刑事になれて良かったね」とメッセージを送ると「頑張ります」と返信があった。渡辺さんは人の悪口を決して言わない、控えめで真面目な性格だった。 担当したのは暴行や強制わいせつ事件などの強行犯捜査。5月には…

    「明日がくることが怖いのです」 真面目な24歳刑事を追い詰めた激務 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    <死んで地獄にいくのも怖いですが、何もないところに行き消えてしまうのも怖いです。しかし、明日がくることがもっと怖いのです>
  • 熊本県警、当直を労働時間から除外 過労死ライン超え続け、24歳刑事自殺 | 毎日新聞

    渡辺崇寿さんの遺影を掲げた仏壇に手を合わせる母美智代さん=熊県宇城市で2021年1月28日午後1時56分、樋口岳大撮影 熊県警が2020年11月まで、警察署の当直勤務を労働時間から除外する運用をしていたことが、県警への取材で明らかになった。当直勤務中も事件事故などに対応するが、県警は国が「ほとんど労働する必要のない勤務」に限り労働時間に算入しないことを認めている「断続的労働」とみなしていた。長時間労働の末に17年に自殺した県警玉名署巡査の死を巡り、地方公務員災害補償基金が認定した時間外労働と同署の算定に最大で月約50時間の開きがあることも判明したが、当直を労働時間から除外していたのが一因だった。 死亡した渡辺崇寿(たかとし)さん(当時24歳)は12年に高校卒業後、警察官となり、玉名署に配属。自動車警ら係などを経て17年4月に刑事課に配属されたが、同9月11日、遺書を残して命を絶った。

    熊本県警、当直を労働時間から除外 過労死ライン超え続け、24歳刑事自殺 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/02/06
    “長時間労働の末に17年に自殺した玉名署巡査の死を巡り地方公務員災害補償基金が認定した時間外労働と同署の算定に最大で月約50時間の開きがあることも判明したが、当直を労働時間から除外していたのが一因だった”