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2021年10月2日のブックマーク (10件)

  • 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』=竹内康浩、朴舜起・著 | 毎日新聞

    (新潮選書・1650円) 衝撃の問い、創意に富む綿密な考証 「バナナフィッシュにうってつけの日」の結末をめぐる、壮大で驚くばかりに緻密な考察の書である。「この短編にはこんなことが書かれていたのか!」と、読者は一ページごとに瞠目(どうもく)するだろう。 米フロリダのリゾートホテルの一室で、三十一歳の男「シーモア・グラス」が幸せのさなかに拳銃自殺を遂げた――この短編のラストをこのように解釈している読者は多いだろう。しかし書はまず、「死んだのはシーモアだったのか?」という衝撃的な問いを発する。次に「それは当に自殺だったのか?」と。 この短編の前半は、シーモアのミュリエルがホテルの室内で母と電話で話すようすを描いている。その会話には、シーモアの名も出てくるので、この旅に同行していると思える。後半はビーチで若い男が少女とたわむれるさまが描かれ、この男はエレベーターで乗り合わせた女性が、彼の足を

    今週の本棚:鴻巣友季子・評 『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』=竹内康浩、朴舜起・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/10/02
    “シーモアと弟バディーの「どちらかがこの世を去るときには、いろいろな理由で、もう片方がそこにいることになる」という奇妙な一節。シーモアが死んだホテルの部屋には、妻以外にいなかったはずなのに……”
  • 今週の本棚:小島ゆかり・評 『猫が30歳まで生きる日』=宮崎徹・著 | 毎日新聞

    (時事通信社・1980円) 不治の病を治す、挑戦の軌跡と奇跡 が30歳まで生きるということは、の寿命が2倍になる、つまりの腎臓病の克服を意味する。 わたしがそれを知っているのは、わが家の(16歳)も腎不全とつき合いながら生きているからだ。かかりつけの獣医さんによれば、高齢はほぼ百パーセント腎臓病になり、まだ治療法がないとのこと。ごはんをべなくなったら、の負担が少ないように自宅での点滴指導をしてくださるという。ありがたいけれど、悲しい。 「書は、いまの医療では<治せない>と言われている病気を治すことができる分子、『AIM(Apoptosis Inhibitorof Macrophage)』の発見と、それを現実の医療に活(い)かすための研究の過程をまとめたものだ。筆者である私は、ヒトの病気を治療する医者である。それなのに、なぜタイトルが『が30歳まで生きる日』なのか。それは、

    今週の本棚:小島ゆかり・評 『猫が30歳まで生きる日』=宮崎徹・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “猫が30歳まで生きるということは、猫の寿命が2倍になる、つまり猫の腎臓病の克服を意味する”
  • 今週の本棚:川本三郎・評 『眠りの航路』=呉明益・著、倉本知明・訳 | 毎日新聞

    (白水社・2640円) 父の戦争体験に透ける夢の質 若くして亡くなった天野健太郎さんの名訳『歩道橋の魔術師』によって日でも多くの読者を得た台湾の作家、呉明益(一九七一年生まれ)の、日では『自転車泥棒』『複眼人』に次いで紹介される四冊目になる。 作者自身を思わせる現代の「ぼく」が、夢と現実の狭間(はざま)で、父親の「三郎少年」(日統治下、日名を名乗らされていた)の戦争体験と、戦後の「父さん」としての暮らしを辿(たど)ってゆく。 一見、私小説風だが、夢あり、昔語りあり、学者の夢をめぐる議論あり、日への旅があり、万華鏡のように多彩なきらめきがある。

    今週の本棚:川本三郎・評 『眠りの航路』=呉明益・著、倉本知明・訳 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “語られることが少ないが、この「台湾少年工」は歴史的事実である。「三郎少年」は、この工場で海軍のため、日本のために働く。工場には風変わりな日本の少年がいた”
  • 今週の本棚:湯川豊・評 『地中の星』=門井慶喜・著 | 毎日新聞

    (新潮社・1980円) 東京地下鉄の「父」と作り手たち 東京の地下鉄は誰がどのようにして作ったか。東京に暮らしている者にとっては、何となく知りたくなるテーマである。 早川徳次(のりつぐ)、明治十四年山梨県御代咲(みよさき)村に生まれた男が作ったのだが、この『地中の星』は早川の伝記小説というより、地下鉄の伝記という趣きがある。 まずは早川。早稲田大学卒業後、いくつかの鉄道会社で腕をふるったがいざこざがあって会社をとび出す。「何かしら、この世で最初の仕事がしたい」と念じて金を工面し、ロンドンに遊んだ。そこで地下鉄に出会って「これだ!」と思ったのが三十四歳のとき。

    今週の本棚:湯川豊・評 『地中の星』=門井慶喜・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2021/10/02
    “早川徳次(のりつぐ)、明治十四年山梨県御代咲(みよさき)村に生まれた男が作ったのだが、この『地中の星』は早川の伝記小説というより、地下鉄の伝記という趣きがある”
  • 今週の本棚:中村桂子・評 『グッド・アンセスター』=ローマン・クルツナリック著、松本紹圭・訳/『土になる』=坂口恭平・著 | 毎日新聞

    ◆『グッド・アンセスター』=ローマン・クルツナリック著、松紹圭・訳(あすなろ書房・1980円)) ◆『土になる』=坂口恭平・著(文藝春秋・1870円) 未来世代の「よき祖先」になる決心 新型コロナウイルス・パンデミックと地球温暖化による異常気象を危機と捉え、一刻も早く抜け出さなければならないとは誰もが考えていることだ。ところがここには「今すぐ行動が要求される最も緊急性の高い課題として、長期思考を求めねばならない」というパラドックスがある。しかも、現代社会は「長期思考という概念の危機」にあると『グッド・アンセスター』の著者は言う。 人類は、200万年ほど前に脳の大型化の過程で四つの長期思考を身につけた。(1)狩猟採集の旅のための認知地図作成 (2)おばあちゃんが子どもをケアする世代間の時間 (3)信頼、互恵、共感にもとづく協力関係 (4)道具の開発。このような長期脳を著者は「どんぐり脳」と

    今週の本棚:中村桂子・評 『グッド・アンセスター』=ローマン・クルツナリック著、松本紹圭・訳/『土になる』=坂口恭平・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “すでに、ディープデモクラシー、再生型経済、文化進化など超目標へ向けての変化は起きている。世界各地で数多くの活動を調べた著者は、それらの今後に期待する”
  • 時の在りか:売り家と書く三代目たち=伊藤智永 | 毎日新聞

    揮毫した色紙を手にする(左から)河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子各氏=東京・内幸町の日記者クラブで9月18日(代表撮影) 数年前、政治家の立パーティーで快活な老婦人を紹介された。岸田文雄氏の縁戚らしい。東京・神宮前に戦後初の「マンション」(豪邸)を名乗る白亜の洋館があったそうな。戦前、旧満州(現中国東北部)で百貨店を経営し、衆院議員だった文雄氏の祖父・正記氏の邸宅である。老婦人はそれがどんなに立派だったかをうっとりと語る。「文雄ちゃんも白の肩掛けズックかばん下げて、学校へ通ってたわよ」 話は華麗な家系図紹介が延々と続く。文雄氏の父・文武氏は、中小企業庁長官で退官した衆院議員。叔父は旧大蔵省証券局長から広島銀行会長。宮沢喜一元首相、宮沢弘元広島県知事・参院議員……(以下略)。「でもねえ、文雄ちゃんだけ東大ダメだった」。十八番らしい長広舌の締めはそこか。岸田氏が人一倍忍耐強くなった訳

    時の在りか:売り家と書く三代目たち=伊藤智永 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “「でもねえ、文雄ちゃんだけ東大ダメだった」。十八番らしい長広舌の締めはそこか。岸田氏が人一倍忍耐強くなった訳が分かる気もする半面、頼りなさの原点を想像できる気がした”
  • 新型コロナ 緊急事態宣言解除・初日 夜の街「お久しぶり」 耐えた飲食店、酒提供再開 | 毎日新聞

    緊急事態宣言が解除され、バーでお酒を楽しむ客たち=東京・銀座で2021年10月1日午後5時44分、小出洋平撮影 19都道府県に発令されていた新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除された。1日から行動制限が段階的に緩和され、停止を求められていた飲店での酒類提供も久々に再開された。店には待ちわびていた客が足を運び、再会を喜んだ。街では、感染対策に配慮しながら日常生活を取り戻す営みが始まっている。 東京・銀座の「BAR保志 Mons REX」は1日、約2カ月半ぶりに営業を再開した。常連客の我洋平さん(46)は「ずっと我慢していた。やっと来ることができた。ここは格別です」と笑顔を見せた。傍らでは、店のオーナーの保志雄一さん(64)が静かに見守っていた。 東京都内では今年に入って、飲店に通常営業が認められた日はない。保志さんは銀座で6店のバーを経営しており、営業時間短縮や酒類提供停止といっ

    新型コロナ 緊急事態宣言解除・初日 夜の街「お久しぶり」 耐えた飲食店、酒提供再開 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “店には待ちわびていた客が足を運び、再会を喜んだ。街では、感染対策に配慮しながら日常生活を取り戻す営みが始まっている”
  • 新型コロナ 緊急事態宣言解除 第6波備え医療見直し 厚労省通知「臨時施設確保を」 | 毎日新聞

    緊急事態宣言が解除された初日の帰宅時間を迎え、駅へと向かう人たち=東京都新宿区で2021年10月1日午後5時41分、幾島健太郎撮影 厚生労働省は1日、冬場に懸念される新型コロナウイルスの感染拡大「第6波」に備え、医療提供体制を見直すよう各都道府県に通知した。病床が逼迫(ひっぱく)した第5波と同程度の感染拡大を前提に、患者に切れ目なく対応するため、臨時の医療施設を含めた病床や、医療従事者を確保するのが柱。通知を受け、都道府県では11月末までに体制を整備する。 緊急事態宣言は9月末を期限に全面解除されたが、今夏の第5波では感染者数は国の病床計画を大幅に超えた。入院できず、自宅で死亡する人も相次いだ。

    新型コロナ 緊急事態宣言解除 第6波備え医療見直し 厚労省通知「臨時施設確保を」 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “厚労省は今回、医療整備の考え方を提示。一般医療との両立を図る観点から、既存の医療機関で病床を増やすことが難しい状況を踏まえ「総合的な戦略」(同省幹部)をとったという”
  • 自民新四役が会見 甘利氏「政治とカネ」言葉濁す 異例の選挙前交代 | 毎日新聞

    記者会見をする自民党の甘利明幹事長=東京都千代田区の同党部で2021年10月1日午後2時46分、長谷川直亮撮影 自民党の新四役に起用された甘利明幹事長と福田達夫総務会長、高市早苗政調会長、遠藤利明選対委員長は1日、党部で記者会見に臨んだ。衆院選公示まで1カ月を切る中、党役員が刷新されるのは異例。4氏は岸田文雄総裁が掲げる党改革などへの忠誠をアピールする一方、野党が追及の構えを見せる「政治とカネ」問題で、甘利氏が収束済みだと訴える場面もあった。 「岸田総裁の目指す改革は党内のあらゆる年代層、あるいは男女を問わず(人事で)起用し、将来の党を支える人材も育てることだと思う」。政治の信頼回復と党改革について会見で問われると、甘利氏はこう強調して胸を張った。

    自民新四役が会見 甘利氏「政治とカネ」言葉濁す 異例の選挙前交代 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “4氏は岸田文雄総裁が掲げる党改革などへの忠誠をアピールする一方、野党が追及の構えを見せる「政治とカネ」問題で、甘利氏が収束済みだと訴える場面もあった”
  • 「麻生派政権のような」岸田新総裁の人事 安倍氏周辺で渦巻く不満 | 毎日新聞

    自民党新執行部の記者会見に臨む甘利明幹事長(左から2人目)。左端は高市早苗政調会長、左から3人目は福田達夫総務会長、右端は遠藤利明選対委員長=東京都千代田区の党部で2021年10月1日午後2時45分、長谷川直亮撮影 自民党の岸田文雄総裁は1日、新執行部を発足させた。間近に迫る次期衆院選に向け、安倍晋三前首相と麻生太郎副総理兼財務相に配慮し、細田、麻生両派を優遇し安定を優先した布陣だが、人事では甘利明幹事長の意向が色濃く映り、党内では早くも不満がくすぶる。野党は金銭授受問題で2016年に甘利氏が経済再生担当相を辞任したことなど「政治とカネ」の問題を追及する構え。不安を抱えた船出となった。 「萩生田官房長官」が消えた背景 「党の一体感、さらには衆院選に臨もうという強い思いを感じていただける人事を進めたい」。岸田氏は1日、記者団に対してこう強調した。 新執行部では、幹事長に甘利氏を抜てき。麻生

    「麻生派政権のような」岸田新総裁の人事 安倍氏周辺で渦巻く不満 | 毎日新聞
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    taketake89 2021/10/02
    “野党は金銭授受問題で2016年に甘利氏が経済再生担当相を辞任したことなど「政治とカネ」の問題を追及する構え。不安を抱えた船出となった”