2015年4月、ウィーンの裁判所で報道陣に囲まれるマックス・シュレムスさん。当時はまだ大学院生。この年の10月に勝ち取った「シュレムス判決」は米国と欧州の外交問題にも発展する=ロイター プライバシー保護団体「noyb」代表の法律家、マックス・シュレムスさんのビッグテックとの闘いの始まりは、法学生だった12年前までさかのぼる。 米西海岸シリコンバレーの大学に短期留学し、著名なプライバシー学者であるドロシー・グランシー教授のクラスに参加していた時のことだ。授業に招かれたフェイスブックなど米IT企業の弁護士らから信じられない発言を聞いた。「欧州の人々は(プライバシーの)法律をとても大事にしているが、破ったとしても関係ない」。利益優先で法律を軽んじる「シリコンバレーの文化」に強い違和感を覚えた。 「好奇心のかたまり。何かおかしいと思うことを見つけると、最後まで追いかけようとする」。米メディアの取材