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ブックマーク / spa-game.com (10)

  • 勝つ為に戦う | スパ帝国

    これは翻訳記事です 勝つ為に戦う:最強への道 David Sirlin著 序章 勝利者ならびに勝利者たらんとする者に贈る。 探せば見つかるわけではない。しかし探す者にしか見つけられない。 —スーフィズムの諺 想像してみよう。ゲームの世界には涅槃に至る雄大な山がある。その頂上には充実感と、楽しさと、卓越とがある。ほとんどの人はこの頂上には無関心だ。人生にもっと大事な問題があり、他に目指すべき頂上があるからだ。しかし少数ながら、この頂上に登れば非常に幸せになれる人もいる。このはそうした人々に向けて書かれている。その中には既に頂上への道を歩んでおり、手助けを必要としない人もいる。だが大部分は知らずしてその道から外れている。山の麓には大きな谷間があり、彼らはそこで引っかかっている。そこは雑魚の棲む地だ。そこに留まる者は自ら作り上げた心理的な枷に囚われ、自分自身に余計なルールを課している。この谷を

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    takets 2020/02/02
  • 不完全情報ゲームデザインの基本定理 | スパ帝国

    嘘つきゲームを作る時の問題 この頃ポーカーに凝っていてテキサスホールデムを随分遊んでいる。電車の中で暇があると古典と呼ばれる理論書を読んだり確率表を眺めたりして時間を潰す。アメリカの国民的ゲームと呼ばれるだけあって相当な量の研究がなされている。 しばらく遊んでいる内に気が付いたのだが、ポーカーはどうやら役を作るゲームではなくて誰が強い役を持っているかを当てるゲームらしい。自分が一番強いハンドを持っていると思ったら賭け金を膨らます。弱いと思ったら大人しくしている。ブラフをかけたり煙幕を張ったりも偶にはするが、そうした搦め手の頻度は最初思っていたよりずっと少ない。 卓の上でやり取りしているのは当はカードでもチップでもなく情報である。見えているカードや他の人間の行動によって推察を行い、それに基づいて行動し、その行動がまた他の人間にとっての手がかりになる。 そこで興味深いのが”Harringto

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    takets 2018/10/19
  • 進行の問題 | スパ帝国

    なぜ友達で集まって行う開発は炎上するか 「遅れているプロジェクトへの人員追加は開発を更に遅らせる」という経験則がある。これは主に頭数が増えることによる連絡業務とかそれまでの仕様の確認が発生するからである。AとBの2人だけで仕事をしている場合、連絡経路はA-Bの1だけで済むが、ABCの3人に増えるとA-B, A-C, B-Cの3の経路が必要になる。4人なら6、5人なら10、6人なら15。人が増えれば増えるほど仕様のすり合わせとか情報共有がネックになりその分の業務が増える。 アウトプットは頭数に比例しては増えない。チームに誰かを加える場合、その者の貢献は最低でも人数の増加による連絡業務の発生を上回っていなくてはならない。そうでなければ貢献どころか正味足を引っ張っていることになる。 この理屈を敷衍していくとパラドクスに行き当たる。即ち、少人数(例えば1人)で開発をする場合は少々腕が悪く

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    takets 2018/07/09
  • 不等価交換の話 | スパ帝国

    月刊スパ帝国Vol.22用に書いたが紙幅の都合でカットされたコラム 不等価交換の話(またはソルヴァーズ開発後記) 今回のゲーム「ソルヴァーズ」は実質的に2つ作った。1つは今号の現存するソルヴァーズ。もう1つは3月に作った、いわば「プロトソルヴァーズ」とでも呼ぶべきゲームである。プレイヤーがヒーロー会社を運営して事件を解決するという点は同じだが、システムは非常に異なる。ヒーローの素早さに応じてダイスを振ったら、その中から好きな目を選んで結果表を参照する。例えば「6」なら大成功で「1」なら大失敗、ただし悪名が上がる代わりに経験は多く得られる場合もあるといった具合である。 結果に応じてヒーローは入院する。大爆発を起こせば16週とか、銃撃をすれば8週とか。ただし体力が多ければ休業週数は減る。次のミッションまでに決まった週が経過し、それまでに復帰していなければ出撃できないという仕組みであった。 実際

  • 英語の話 | スパ帝国

    ゲームを作っていると英語運用力が必要になる事が多い。英語ゲームを遊ぶ。英語で書かれたデザイン論やレビューを読む。海外から材料を仕入れる。通念に反し、中国の工場と交渉する際には中国語でなく英語を用いる。国際取引は大体そういうものだ。 他の全ての技能と同様、英語の運用も別に全ての人間ができる必要はない。やりたい者が能力を伸ばしてできない者の手助けをすれば宜しい。遠く隔たった言語の習得は資質の差が非常に大きい部分なので分担した方が得である。そういう訳で「じゃあ俺がチームの分の仕事を引き受けてやるか」と思う人向けに書いていこう。 言語間の距離 地球上には数千の言語が存在する。およそ6000ぐらいだろうと推定されているが、途轍もない奥地の少数民族語が発見されたり話者がいなくなって絶滅したり混ざり合って新種が生まれたりするので正確な数は誰も知らない。 言語と言語には類縁関係がある。例えばポルトガル語

  • 翻訳記事:勝つ為に戦う(27) | スパ帝国

    これは翻訳記事です 勝つ為に戦わない この回では逆の視点から見てみよう。いつも「勝つ為に戦う」のは非生産的だ。長い期間に渡って勝ち続けるのであれば、全ての試合を大会の決勝の如く戦うのは不可能だ。そんな事をしていたら基的な研究もできないし、特定状況下での変わった戦い方も知らずにいる事になる。そうして結局は次善の戦術に甘んずる。 研究 勝つ為の戦いと学ぶ為の戦いはしばしば異なる。今この試合の勝率を最大にするためには、新しい戦術や対策やパターンを試して無用な危険を冒す事はできない。回り道をせずに戦うのは試合に勝つ最善の道だ。だがそれは貴重な経験を得て戦術の引き出しを増やす機会を逸する道でもある。 ストリートファイターで簡単な例を挙げよう。コンマ数秒後に相手が超必殺技を出す事が読めたとする。このラウンドを取る一番賢明な方法は、そのままガードする事だ。だがそれでは学べない事もある。その必殺技はそも

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    takets 2015/03/27
  • 翻訳記事:勝つ為に戦う(25) | スパ帝国

    これは翻訳記事です 無敵と「野獣」 チェスプレイヤー:ホセ・ラウル・カパブランカ(1888-1942) もし勝つ為に戦ったプレイヤーがいるとすれば、それはカパブランカだ。彼はチェスの教科書を読んだりオープニングを研究する事を拒んだ。チェス王者の態度として普通なら考えられないが、カパブランカは普通ではなかったのだ。 17歳の時、当時の世界王者ラスカー博士が多面指しをした相手の中に彼はいた。そして勝っていた。3年後、彼はアメリカに渡りそこで多面指しの新記録を打ち立てた。しかも速度と結果の両方で。最初の10セッションでいきなり168連勝し、最終的に703勝12敗19引き分けという戦績に達した。そして1909年、彼はアメリカ王者のフランク・マーシャルに8-1(引き分け14)で圧勝する。 快進撃はその後も続く。生涯で567試合をこなし、負けたのはわずか36試合だけ。10年間全く負けなかった時期すらあ

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    takets 2015/03/26
  • 構想の呪い | スパ帝国

    なぜゲームの構想は面白そうに見えるのかという考察 ゲームの構想とか企画案は大抵面白そうに見える。というより、ゲームに限らず何事もアイディアを練っている段階では素晴らしい。こんなギミックを/ストーリーを/フレーバーを/キャラクターを考えたぞ! 実際に作れば必ず面白くなる!という具合にしてゲームの作り方を聞きに来る人は途切れないものであるが、質問に答える前にそもそも「なぜその企画は素晴らしく思えるのか」を考えてみよう。 構想はラフ画だ 絵を描く人はしばしば、どうして鉛筆書きのラフは綺麗なのにペンを入れると汚いのかという悩みを抱く。これは人間の頭の柔軟性がなする業だ。ラフ画は複数の輪郭線が重ね合わされた状態になっている。それを見た人間の頭は最も美しい線を選び出して勝手に補完する。ゆえにペンを入れて1の線に確定するとしばしば美しくなくなるわけだ。 ゲームの構想はラフ画に似ていて、その段階ではまだ

  • 翻訳記事:なぜゲームを作るのか | スパ帝国

    これは翻訳記事です 2007/9/27 Soren Johnson Braidというサイトを運営するジョナサン・ブロウ氏が、最近オーストラリアのFreePlayカンファレンスで面白い事を言っていた。(動画) どうして我々ゲーム開発者は「何故ゲームを作るんだろう」と自分自身に問いかけないのか。出て来る疑問詞は「どうやって」ばかり。「どうやってゲーム業界に入ろう?」「どうやって販売元にこのゲームを見てもらおう?」という具合だと言う。面白い視点である。そして私は確信するのだが、殆どの開発者はこういう問いかけをした事が無い筈だ。 数ヶ月前、Spore開発チームの仲間であるクリス・ヘッカーが同じ様な質問を私にした。君のゲームデザインにはテーマがあるのか。何かプレイヤーに対して伝えたい考えや経験があるのか。私の答えは、同時にジョナサンの質問への答えでもある。即ち、私はプレイヤーに「常に正しい選択肢は無

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    takets 2014/09/04
  • ストア | スパ帝国

    ゲームと冊子の販売 箱入りゲーム 競りカードゲーム「翡翠の商人」 ブラフゲーム「Not My Fault!」 マクロ経済ゲーム「ナショナルエコノミー」 続編「ナショナルエコノミー・メセナ」 続々編「ナショナルエコノミー・グローリー」 呪文カードゲーム「マゴス」 冊子 Vol.24:1人用TRPG「ソルヴァーズ・アフターマス」 Vol.23:特集記事「ゲームを極める100の知恵」 Vol.22:1人用TRPG「ソルヴァーズ」 Vol.21:特集記事「ゲーム2.0」 Vol.20:戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー拡張版」 Vol.19:戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー」 Vol.18:特集記事「カードゲームをつくろう」 Vol.17:帝国建設パズル「4X」 Vol.16:RPGパズル「クライシスエリア#2」 Vol.15:ダイス闘技場「ころころシアム」 Vol.14:嘘つきカードゲ

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    takets 2014/06/23
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