「1999年7の月。空から恐怖の大王が降って来る」 筆者が小学校高学年だった1973年、『ノストラダムスの大予言』という本が出版された。冒頭の一節は、この本のキラーフレーズだ。「きっと結婚していて、子どももいて、会社では主任か係長くらいで、恐怖の大王が降ってきて死んじゃうんだな」なんて漠然と感じたことを覚えている。 ノストラダムスの予言の爆発力 『ノストラダムスの大予言』は瞬く間にベストセラーとなり、発売後3カ月に公称100万部を突破した。当時は文字通り朝から晩まで、どんな情報番組においても取り上げられ、ごく普通の小学生の脳裏にも〝アンゴルモアの大王〟とか〝逃げよ、逃げよ。すべてのジュネーブから〟といったフレーズが刷り込まれてしまった。 筆者が通っていた小学校では『ノストラダムスの大予言』を読み込んでおくとちょっとカッコいい、みたいな空気が生まれ、特に男子は競ってそういう空気に乗っかろうと