スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。 先月だったか、彼が米アップルの経営から退く意思を表明した際に流れてきた画像を見て、ある程度の心構えはできていた。「ああ、この痩せ方はただごとではないぞ」 と、その時に、遠くない時期に訃報が届くであろうことを、私は半ば予期した。 が、実際に訃報に接してみると、感慨はまた別だ。直接に面識の無い、いわゆる有名人の死にこれほど深い喪失感を感じるのは、もしかしたらジョン・レノンが死んだ時以来かもしれない。 ジョブズは、私とほぼ同世代(満年齢で1年3カ月、日本流の学年で言うと2学年ジョブズが上ということになる)なのだが、個人的にはあんまりそういうふうに感じたことは無い。ずっと見上げてきた存在だったからかもしれない。 彼の名前をはじめて聞いたのは、1980年代のはじめ頃だ。 当時出入りしていたコンピュータゲーム雑誌(「遊撃手」)の編集部には、「AppleII」が何台