どのような業界でも営業はスピーディな顧客対応が求められる。電子機器業界も例外ではない。例えば、納入先からの見積依頼1つ取ってみても、できる限り短時間で回答しなければ受注競争を勝ち抜くことは難しい。ある電子部品メーカーに勤める黒場氏も、「最近は短納期を前提にした見積依頼を受けることが、とても多くなっています」と打ち明ける。 以前なら客先で見積依頼を受けた時でも、いったん自社に戻ってから書類を作成し、上司の決裁を求める必要があった。当然、これは大きなロスタイムを生み、「競合他社に遅れをとることも少なくなかった」と振り返る。特に上司が出張などで不在の場合は、決裁に数日かかることも珍しくなかったという。 この問題を解決するため黒場氏の部署が採った方策が、見積フローの迅速化だった。まず社内の見積書作成システムに社外からアクセスできるようにし、外出先からでも必要事項を入力するだけで、その場で見積書を作