問題 食糧になるものが金色のキノコしかない黄金の島で、われわれはN君が選んでくれた安全なキノコを齧りながら探索を続けていた。 見渡す限りの黄金だけでも十分な財宝だが、この島には他のお宝は何もないのだろうか。 金色のキノコが生い茂る道をしばらく行くと ザザザッ 風がざわめき、周囲で金色の影が動いた。 後ろから甘い香りが漂ってきた、と思ったら急激に意識が遠のいて行った。 * * * 気がつくとわれわれは手足を縛られ、島民と思われる者たちに包囲されていた。 島民たちはみな屈強という風でもないが、身に纏う金色の鎧が眩しい。 あの鎧はぜひともいただいて帰りたい。 とかそんな事を呑気に考えているうちにわれわれは島民たちに担がれ、全島民が集まる集会場のような場所に連れて行かれた。 * * * 島民は全部で百人ほどいるようだ。老若男女問わず金色の装束を身につけていて眩しい。 われわれの言葉がわかると思われ