【コラム】 吉田奈緒子|“ギフト”がつくる循環 アイルランドの「カネなし男」が引き出した、ローカルな経済圏の可能性
勝ったのは与党 参議院選挙が終わりました。自公で過半数を大きく上回る143議席を確保し、いわゆる改憲勢力で2/3の162議席を確保しました。公明党を改憲勢力と形容するのが適切かどうかはともかく、憲法審査会が動かされ、改憲が具体的な政治日程に上ってくることになるでしょう。政権は、アベノミクスが信任されたと高らかに宣言しているし、勝ったのは明らかに与党です。 ところが、野党からもそれほどの悲壮感は伝わってきません。客観的には惨敗なのですが、一人区では野党共闘の効果もあって野党の11勝22敗と、少なくとも3年前よりは善戦しました。被災地3県と沖縄で勝利したことに一定の大義を主張する者もあり、敗戦をきっかけとした自浄作用さえ期待できない状況です。 負けたのは誰かというのが重要な問いです。結論めいたことを言うとすると、負けたのは、日本が進んでいく方向性に変化を望んでいる層です。選挙戦が盛り上がらない
成功体験を単純な理論に矮小化するよりも、失敗を記録するほうが有益かもしれない。それを実践する個人と企業のエピソードを紹介。 ヨハネス・ハウスホーファーは、どの尺度から見ても大いなる成功者である。オックスフォード大学を優等で卒業し、博士号を2つも取得(チューリッヒ大学で経済学、ハーバード大学で神経生物学)。現在はプリンストン大学で心理学と公共政策の助教授を務める彼は、これまで多岐にわたる執筆と数々の学会での発表を行ってきた。その学術業績書は7ページに及ぶ。 そのハウスホーファーが先頃、自分の「失敗の履歴書」をツイッターで公表して注目を集めたのは、いささか面白くも示唆に富む出来事である。そこには「入れなかった学位課程」「学界で得られなかった職と研究資格」「学術誌への掲載を断られた論文」などが長々とリストアップされている(英文PDF)。 成功歴を示して注目と称賛を得ようする人が大半のこの世界で、
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