ヤフーとアスクルのLOHACO事業を巡る一連の紛争において、ヤフーがアスクルの社外取締役再任議案に反対票を投じていることが話題になっています。社外監査役も含めたアスクルの「独立役員会」が取締役会に提出した答申書が公開されたり、また独立役員会のアドバイザーである法律専門家が記者会見に応じる、ということも、たいへん珍しく、ヤフー社の対応も含めて、企業の有事対応に関心を持つ法律家としてもたいへん興味深いところです。なお、7月28日には、アスクル独立役員会が同社の企業統治を蹂躙するヤフー社の議決権行使への声明を発表しています。 アスクルがヤフーとの資本業務提携契約に基づいて株式売渡請求権を行使するかどうか、アスクル社内では審議が行われるそうですが、同契約に準物権的効力があるかどうかは微妙なので、ヤフーによる議決権行使を仮処分で止めたり、現取締役らの仮の地位を定める仮処分が認められる可能性は乏しいか