京都大霊長類研究所の松沢哲郎教授らのグループは19日、「類人猿にも中年の危機」とする論文を米国科学アカデミー紀要に発表した。日本を始めとする各国のチンパンジーなどの類人猿を調べた結果、「中年」にあたる年齢で最も幸福度が下がっているとするデータが得られたといい、グループは「中年で幸福度が下がるのはヒト科共通なのではないか」としている。 チンパンジーなど類人猿の個性について研究しているグループは、日本や米国などで飼育されているチンパンジー、オランウータン508頭を調査。人間から見た周囲との社交性や日常生活への積極性など、4項目から算出した数値を「幸福度」と定義し、それぞれの個体について担当飼育員2人にアンケートを実施した。その結果、寿命が50年前後とされるチンパンジーでは「中年」にあたる30歳前後の個体が、幸福度が最も低かったという。 松沢教授は「ローンの返済に追われて、ということはないチンパ