かつては大勢の会葬者が訪れる葬儀が一般的だったが、近年は「家族葬」「直葬」と呼ばれる低価格・小規模な葬儀が全国的に広がっている。「安い」「アットホームでよかった」という具体的なメリットを挙げる人や、「親族からみすぼらしい葬儀をするなと責められた」や「いつまでも自宅に弔問客がひっきりなしになる」というデメリットを語る人がいるが、より深刻なのは遺族の「心」への影響だ。ライターの池田道大氏が、格安葬儀経験者の声をレポートする。 * * * 千葉県在住のAさん(55)が「身勝手な話ですが……」と切り出す。 「認知症の末に父が亡くなって解放された気になり、5万円ほどの最も安い直葬にしました。気持ちの整理はついていたはずですが、祭壇も供花もないなか作業が淡々と続き、火葬の際は“本当にこれでよかったのか”と胸が苦しくなりました。正直、今も心が落ち着きません」(Aさん) 同じ直葬でも都内在住のBさん(52
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